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2021/12/15 17:41

香港大引:ハンセン0.9%安で4日続落、薬明生物が19%下落 無料記事

 15日の香港マーケットは、主要64銘柄で構成されるハンセン指数が前日比215.19ポイント(0.91%)安の23420.76ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が75.70ポイント(0.90%)安の8342.91ポイントとそろって4日続落した。売買代金は1277億4180万香港ドルにやや拡大している(14日は1199億8740万香港ドル)。
 中国景気の先行き不安が強まる流れ。取引時間中に公表された11月の中国経済統計では、小売売上高の伸びが前年同月比3.9%にとどまり、市場予想(4.7%)や前月実績(4.9%)を大幅に下回った実態が判明した。米国の対中圧力も不安視。外電が15日、消息筋情報として伝えたところによれば、米商務省は今週16日にも、安全保障上問題がある企業を並べた「エンティティー・リスト」に中国企業20社以上を追加するもようだ。これら企業には、バイオテクノロジーに関わる企業も含まれるという。リスト入りすれば、事実上の禁輸措置が適用される。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が19.2%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が5.0%安、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が4.8%安と下げが目立った。薬明生物技術などは、上述した「エンティティー・リスト」入りの不安が強まっている。
 スポーツ用品や家電の中国消費セクターも安い。上記した安踏体育用品のほか、李寧(2331/HK)が3.1%、創維集団(スカイワース・グループ:751/HK)が6.2%、TCL電子HD(1070/HK)が3.8%、海信家電集団(921/HK)が3.6%ずつ下落した。
 半導体セクターも急落。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)と上海復旦微電子集団(1385/HK)が6.4%安、華虹半導体(1347/HK)がそろって4.3%安、晶門半導体(ソロモン・システック:2878/HK)が2.6%安と値を下げた。ICファウンドリ中国最大手のSMICに関しては、米バイデン政権がより厳しい制裁措置を検討しているもよう――と報じられている。セクター全体の売り材料となった。
 中国不動産セクターもさえない。融創中国HD(1918/HK)が4.2%安、広州富力地産(2777/HK)が3.0%安、世茂房地産HD(813/HK)が2.7%安で引けた。民営デベロッパーの債務問題に加え、業績動向の不透明感も強まっている。1〜11月の不動産開発投資額は、増加率が1〜10月から鈍化した。
 半面、香港拠点の銀行セクターはしっかり。恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が2.0%高、中銀香港(2388/HK)が1.6%高、HSBC(5/HK)が1.0%高で取引を終えた。米国で利上げ前倒し観測が高まる中、香港域内の金利高で利ザヤが改善すると見込まれている。
 中国発電セクターも高い。華電国際電力(1071/HK)が8.9%、華能国際電力(902/HK)が5.4%、華潤電力HD(836/HK)が4.8%ずつ上昇した。そのほか、太陽光発電素材メーカーの保利協キン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が13.3%高。同社は第三者割当増資の計画を発表したが特段の売り材料とはならず、むしろ、経営安定と業容拡大の期待が広がった。
 一方、本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.38%安の3647.63ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。半導体株、医薬品株、素材株、空運株、銀行・保険株なども売られた。半面、発電株は高い。エネルギー株、海運株、不動産株、証券株も買われた。




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