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2022/03/17 17:34

香港大引:ハンセン7.0%高で続伸、テックと不動産に買い 無料記事

 17日の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前日比1413.73ポイント(7.04%)高の21501.23ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が518.12ポイント(7.52%)高の7407.57ポイントとそろって大幅続伸した。売買代金は3009億5860万香港ドルと高水準が続いている(16日は3097億9310万香港ドル)。
 内外環境の改善で投資家のリスク選好が強まる流れ。米国では景気先行き不安が後退している。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、FOMCの利上げ決定に関し、「米経済の足かせになることはない」などと説明した。中国では劉鶴・副首相が16日、「市場に有利な政策を積極的に打ち出す」と強調したことに続き、金融部局が相次いで市場の安定化に関する方針を表明している。うち中国人民銀行(中央銀行)は17日、主導的な金融政策を実施し、新規融資の適度な増加を促す方針を明らかにした。これを受けて市場では、預金準備率引き下げや利下げの可能性が高まったとの見方が出ている。そのほか、財政部は年内の「不動産税」(個人向け固定資産税)本格導入を見送る方針を示した。(亜州リサーチ編集部)
 「ニューエコノミー」関連銘柄が連日で急騰。ハンセン科技(テック)指数は7.8%高と大幅に続伸し、構成銘柄はほぼ全面高だった(構成銘柄30のうち29上昇)。個別では、不動産開発業者向けソフトウエアの明源雲集団HD(909/HK)が42.8%高、高性能データセンター開発・運営の万国数拠HD(GDSホールディングス:9698/HK)が32.2%高、インターネット検索中国最大手の百度集団(バイドゥ:9888/HK)が16.2%高、動画配信プラットフォーム中国大手のビリビリ(9626/HK)が16.1%高と上げが目立った。重複上場するビリビリは16日引け後、自社の上場形態について、香港市場を主要市場に変更し、米ナスダックとの「デュアルプライマリー上場」の形に切り替える方針を明らかにしている。
 デベロッパーや管理サービスの中国不動産セクターも高い。融創中国HD(1918/HK)が59.0%、合景泰富集団HD(1813/HK)が33.7%、世茂集団HD(813/HK)が32.8%、雅生活智慧城市服務(3319/HK)が48.8%、融創服務HD(1516/HK)が46.8%ずつ上昇した。
 景気動向に敏感な素材セクターも急伸。非鉄の江西銅業(358/HK)が10.0%高、鉄鋼の鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)が9.7%高、セメントの中国建材(3323/HK)が10.7%高と値を上げた。
 医薬品セクターも物色される。薬明生物技術(ウーシーバイオロジクス:2269/HK)が19.8%高、康哲薬業HD(867/HK)が12.4%高、中国生物製薬(1177/HK)が12.1%高、百済神州(ベイジーン:6160/HK)が12.0%高で取引を終えた。バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬については、通期利益が5倍に拡大するとの見通しも引き続き材料視されている。
 一方、本土マーケットも続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.40%高の3215.04ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。消費関連株、金融株、医薬品株、素材株、ハイテク株、運輸株、インフラ関連株なども買われた。




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