週明け28日前場の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比278.47ポイント（1.30％）高の21683.35ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が127.91ポイント（1.76％）高の7411.83ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は839億1660万香港ドルとなっている（25日前場は721億6290万香港ドル）。　
　業績動向をにらみながら買われる流れ。主要企業の決算報告がピークを迎える中、予想を上回った銘柄群などが物色され相場水準を押し上げた。原油高を追い風に、エネルギー株も上昇している。ただ、指数は安く推移する場面もみられた。中国の新型コロナウイルス感染再拡大が不安視されている。新型コロナ感染拡大に歯止めがかからず、1日当たり感染者数が過去最多を更新する中、上海市は市を2分割し事実上のロックダウンに突入した（西側は28日から4日間、東側は4月1日から4日間の封鎖）。経済活動の停滞が懸念されている。(亜州リサーチ編集部)
　「ニューエコノミー」関連銘柄が急伸。ハンセン科技（テック）指数は3.1％上昇し、他の指数をアウトパフォームした。個別では、飲食ポータルサイトの美団（メイトゥアン：3690/HK）が14.4％高、オンライン医療サービスの京東健康（JDヘルス・インターナショナル：6618/HK）が7.4％高、ショート動画投稿アプリの快手科技（クアイショウ・テクノロジー：1024/HK）が6.6％高と上げが目立っている。美団が発表した決算は赤字だったが、損失幅は予想より小幅だった。美団の王興・董事長兼CEO（最高経営責任者）は決算説明会で、主力事業の業績が今年1〜2月に安定を維持したと説明している。
　石油・石炭セクターも高い。中国石油化工（サイノペック：386/HK）が5.1％、中国海洋石油（CNOOC：883/HK）が4.9％、中国石油天然気（ペトロチャイナ:857/HK）が2.2％、中国神華能源（1088/HK）が7.6％、中国中煤能源（1898/HK）が5.1％、エン鉱能源集団（1171/HK）が4.3％ずつ上昇した。原油高のほか、決算内容も好感されている。サイノペックの決算は予想を上回る115％増益となり、配当の増額も予定された。中国神華能源も44％増益と好決算を明らかにし、配当の増額を予定している。
　中国発電セクターもしっかり。中国電力国際発展（2380/HK）が5.2％高、華電国際電力（1071/HK）が2.6％高、華潤電力HD（836/HK）が2.1％高、華能国際電力（902/HK）が1.2％高で引けた。華電国際電力の決算は赤字だったものの、赤字額は事前見通しを大幅に下回っている。
　半面、酒造や外食の飲食関連は安い。華潤ビールHD（291/HK）が3.0％、百威亜太HD（バドワイザーAPAC：1876/HK）が2.2％、青島ビール（168/HK）が0.9％、呷哺呷哺餐飲管理HD（520/HK）が3.9％、奈雪的茶HD（2150/HK）が2.9％、海倫司国際HD（9869/HK）が2.5％ずつ下落した。
　中国不動産セクターもさえない。広州富力地産（広州R&Fプロパティーズ：2777/HK）が7.9％安、合景泰富地産HD（KWGプロパティーホールディング：1813/HK）が5.5％安、雅居楽集団HD（アジャイル・グループ：3383/HK）が3.9％安、世茂集団HD（シーマオ・グループ：813/HK）が3.8％安と値を下げた。
　一方、本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.13％安の3208.12ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が安い。医薬品株、ハイテク株、素材株、空運株、インフラ関連株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。不動産株、公益株、銀行株も売られた。



内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。