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2022/03/29 17:39

香港大引:ハンセン1.1%高で続伸、テック指数は2.5%上昇 無料記事

 29日の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前日比242.66ポイント(1.12%)高の21927.63ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が116.75ポイント(1.58%)高の7513.00ポイントとそろって続伸した。売買代金は1251億390万香港ドルとなっている(28日は1343億640万香港ドル)。 
 中国経済対策の期待感が強まる流れ。中国人民銀行(中央銀行)は4〜6月期の流動性を確保するため、近く預金準備率を引き下げる可能性がある――などと29日までに証券専門紙が報じた。域内で新型コロナウイルス感染再拡大が落ち着きつつあることもプラス。香港衛生当局が28日発表したところによれば、27日0〜24時の新規感染は再拡大が始まった2月23日以降で最少となり、3日連続で1万人を下回った。一方、中国本土では感染者の増加に歯止めがかからず、上海市は事実上のロックダウン(都市封鎖)に突入している。指数は上値の重い場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
 「ニューエコノミー」関連銘柄に買いが先行。ハンセン科技(テック)指数は2.5%上昇し、他の指数をアウトパフォームした。個別では、オンライン医療サービスの京東健康(JDヘルス・インターナショナル:6618/HK)が17.9%高、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が8.3%高、旅行サイト中国大手の携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が7.1%高と値を上げている。京東健康は決算内容が好感されている。同社が発表した通期決算は赤字継続だったが、損失額は前年から大幅に減少。自社株買いの計画も明らかにした。
 中国自動車セクターもしっかり。蔚来汽車(ニーオ:9866/HK)が7.2%高、吉利汽車HD(175/HK)が4.5%高、長城汽車(2333/HK)が4.4%高、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.2%高で引けた。新興EV(電気自動車)メーカーのニーオは、フラッグシップ電動セダン「ET7」の納入開始が刺激材料。注文が予想より速いペースで増えていると伝わった。同社の装備では、高速道路の自動運転支援システムを22年第4四半期から一部地域で利用できるという。
 外食関連の銘柄群も物色される。海底撈国際HD(6862/HK)が8.2%高、九毛九国際HD(9922/HK)が6.1%高、海倫司国際HD(9869/HK)が4.9%高、百勝中国HD(9987/HK)が4.8%高と値を上げた。
 他の個別株動向では、ミネラルウォーター中国最大手の農夫山泉(ノンフー・スプリング:9633/HK)が4.6%高。同社が発表した通期決算は4割増益となり、配当の増額も予定された。
 半面、中国不動産セクターは安い。融創中国HD(1918/HK)が17.4%、広州富力地産(2777/HK)が11.3%、世茂房地産HD(813/HK)が12.5%、雅居楽集団HD(3383/HK)が7.2%ずつ下落した。民営デベロッパーの融創中国に関しては、規定の期日(3月31日)までに監査済みの決算を発表できないとして、4月1日付で株式売買を一時停止すると発表したことが売り材料視されている。
 中国発電セクターの一角もさえない。華潤電力HD(836/HK)が2.6%安、華電国際電力(1071/HK)が2.4%安、華能国際電力(902/HK)が1.5%安で取引を終えた。華電国際電力が公表された決算では、純損益が赤字に転落している。
 ほか、即席麺・飲料大手の康師傅HD(ティンイー:322/HK)が5.2%安。同社の決算は6%減益となり、配当の減額も予定された。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.33%安の3203.94ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。不動産株、消費関連株、非鉄株、インフラ関連株なども売られた。半面、医薬品株は高い。エネルギー株、公益株、海運株、銀行株も買われた。




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