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2022/03/03 13:35

香港前場:ハンセン0.5%高で反発、上海総合は0.1%上昇 無料記事

 3日前場の香港マーケットは、主要64銘柄で構成されるハンセン指数が前日比109.58ポイント(0.49%)高の22453.50ポイントと反発する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は17.56ポイント(0.22%)安の7890.62ポイントと続落した。売買代金は650億7070万香港ドルとなっている(2日前場は595億2140万香港ドル)。
 内外の好材料が相場を支える流れ。米国ではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言により、大幅利上げの警戒感が後退した。また、中国ではあす4日、重要政治イベントの「両会」(全国政治協商会議と全国人民代表大会)がスタートする運び。景気テコ入れに向け、各種の方針が打ち出される見通しだ。ただ、全体として上値は重い。ロシアとウクライナが停戦交渉を再開すると伝わったものの、交渉は難航すると予測されている。原油や小麦の高騰が続き、個人消費や企業活動の足かせとなると危ぐされた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が10.7%高、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が4.6%高、中国政府系インベストメント会社の中国中信(CITICリミテッド:267/HK)が3.5%高と上げが目立った。そのほか、香港・本土の金融や不動産も買われている。創科実業に関しては、通期決算の増益と増配が材料視された。
 エアラインや、空港、代理店など旅行関連が高い。中国南方航空(1055/HK)が4.3%、中国国際航空(753/HK)が4.0%、中国東方航空(670/HK)が3.4%、海南美蘭国際空港(旧・瑞港国際機場集団:357/HK)が7.6%、北京首都国際機場(北京首都空港:694/HK)が4.3%、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が9.8%、同程旅行HD(トンチェン・トラベル・ホールディングス:780/HK)が5.2%ずつ上昇した。社会活動正常化の期待が広がる。新型コロナウイルスの感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策からの脱却に向け、中国政府は検討を進めているもよう――などと伝えられた。
 石油生産・掘削、石炭のエネルギー関連も物色される。中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.3%高、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が1.6%高、中海油田服務(2883/HK)が3.0%高、中国中煤能源(1898/HK)が7.4%高、エン鉱能源集団(1171/HK)が6.6%高で前場取引を終えた。原油高が追い風。昨夜のWTI原油先物は7.0%高と大幅に3日続伸し、一時、約10年ぶりの高値を切り上げた。3日の時間外取引でも上昇の勢いは止まってない。ウクライナ情勢を巡り、ロシア産原油の輸出が滞るとの見方だ。
 半面、「ニューエコノミー」関連銘柄はさえない。ハンセン科技指数は1.3%安と続落し、指数公表以来の安値を連日で更新した。個別では、自動車取引サイト運営の汽車之家(オートホーム:2518/HK)が9.7%安、オンラインゲーム事業・アプリケーション・ソフト開発の金山軟件(キングソフト:3888/HK)が9.4%安、不動産開発業者向けソフトウエアの明源雲集団HD(909/HK)が7.9%安と値を下げている。
 一方、本土マーケットは小反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.10%高の3487.54ポイントで前場の取引を終了した。エネルギー株が高い。不動産株、公益株、運輸株、金融株、素材株の一角なども買われた。半面、消費関連株は安い。ハイテク株、医薬品株も売られた。




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