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2022/03/02 17:37

香港大引:ハンセン1.8%安で反落、科技指数は2.7%下落で安値更新 無料記事

 2日の香港マーケットは、主要64銘柄で構成されるハンセン指数が前日比417.79ポイント(1.84%)安の22343.92ポイントと反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が144.86ポイント(1.80%)安の7908.18ポイントと3日ぶりに反落した。ハンセン指数は約2年ぶりの安値。ハンセン科技指数は2.71%と他の指数をアンダーパフォームし、指数公表以来の安値を更新した。売買代金は1146億4390万香港ドルとなっている(1日は1149億7070万香港ドル)。
 世界経済の混乱が懸念される流れ。ロシア軍がウクライナに対する軍事行動を継続する中、西側諸国は対露制裁を一段と強化している。市場ではロシアの信用危機もささやかれた。原油や穀物が高騰したことで、個人消費の冷え込みや企業収益の悪化も危ぐされた。香港では、新型コロナウイルス感染再拡大の影響も不安視されている。香港全市民を対象にしたウイルス検査のため、限定的なロックダウン措置が実施される見通しだ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、ガラス生産の信義玻璃HD(信義ガラス:868/HK)が10.5%安、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が8.8%安、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(カントリー・ガーデン・ホールディングス:2007/HK)が7.5%安と下げが目立った。
 セクター別では、香港に拠点を置く銀行が安い。渣打集団(スタンダード・チャータード:2888/HK)が6.1%、HSBC(5/HK)が5.2%、中銀香港(2388/HK)が4.1%、東亜銀行(23/HK)が3.1%ずつ下落した。対露制裁の余波を警戒。HSBCは小規模ながらロシア事業を展開、渣打集団はポーランドなど周辺国で事業をおこなっている。
 中国不動産セクターも急落。上記した碧桂園のほか、合景泰富地産HD(1813/HK)が8.1%安、世茂集団HD(813/HK)が7.8%安、融創中国HD(1918/HK)が5.8%安と値を下げた。
 中国自動車セクターもさえない。五菱汽車集団HD(305/HK)が6.6%安、小鵬汽車(9868/HK)と長城汽車(2333/HK)がそろって5.0%安、広州汽車集団(2238/HK)が2.4%安で引けた。
 半面、石油・石炭セクターは高い。中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.4%、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が2.9%、エン鉱能源集団(1171/HK)が4.2%、中国中煤能源(1898/HK)が2.8%ずつ上昇した。原油高が追い風。昨夜のWTI原油先物は8.0%高と大幅続伸し、一時、約7年8カ月ぶりの高値を切り上げた。
 非鉄セクターもしっかり。新疆新キン鉱業(3833/HK)が7.0%高、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が5.8%高、江西銅業(358/HK)が2.6%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が2.2%高と値を上げた。中国アルミなどに関しては、主要なアルミ生産国、ロシアからの世界供給が滞ることにより、プレゼンスが増すとの思惑などが広がっている。
 一方、本土マーケットは4日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.13%安の3484.19ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。消費関連株、金融株、医薬品株、防衛関連株なども売られた。半面、エネルギーや非鉄の銘柄は高い。不動産株、メディア関連株も買われた。


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