25日前場の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前日比355.70ポイント（1.62％）安の21590.25ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が149.02ポイント（1.98％）安の7379.12ポイントと続落した。売買代金は721億6290万香港ドルとなっている（24日前場は781億4500万香港ドル）。　
　外部環境の不透明感が重しとなる流れ。ロシアがウクライナに軍事侵攻してから1カ月余りとなる中、戦闘は激しさを増し、停戦交渉も長引いている。バイデン米大統領は24日、欧州連合（EU）首脳会議に出席。共同でロシアに追加制裁を科す用意があると発表した。原油や穀物の需給ひっ迫が依然として懸念される中、世界経済の先行き不安もくすぶっている。また、EUの関係者は「中国はロシアに半導体を輸出する準備をしている疑念がある」と分析。対露制裁が中国に及ぶとの不安もくすぶった。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術（ウーシー・バイオロジクス：2269/HK）が6.6％安、飲食ポータルサイトの美団（3690/HK）が6.1％安、医療サービス企業の阿里健康信息技術（アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー：241/HK）が5.4％安と下げが目立っている。美団は本日、通期決算を発表する予定だ。
　セクター別では、海運が安い。海豊国際HD（1308/HK）が5.9％、太平洋航運集団（2343/HK）が4.2％、中遠海運HD（1919/HK）が3.2％、東方海外（316/HK）が2.8％ずつ下落した。
　自動車セクターもさえない。長城汽車（2333/HK）が5.7％安、蔚来汽車（ニーオ：9866/HK）が4.7％安、広州汽車集団（2238/HK）が2.8％安、中国重汽（サイノトラック：3808/HK）が1.7％安で引けた。
　他の個別株動向では、通信設備メーカー大手の京信通信系統HD（コムバ・テレコムシステムズ：2342/HK）が6.0％安。通期決算の赤字幅拡大が嫌気された。
　ほか、京東集団（JDドットコム：9618/HK）傘下の京東物流（JDロジスティクス：2618/HK）が13.8％安。第3者割当増資計画を打ち出したことが売り材料視されている。京東株も3.4％下げた。
　半面、農業関連セクターは物色される。アグリビジネスの超大現代農業（682/HK）が6.8％高、肥料販売中国最大手の中化化肥HD（サイノフェルト：297/HK）が3.1％高、窒素系肥料メーカーの中海石油化学（3983/HK）が1.4％高、農機メーカー中国大手の第一トラクター（ファースト・トラクター：38/HK）が1.1％高で前場取引を終えた。
　一方、本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.47％安の3235.04ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が安い。医薬品株、消費関連株、インフラ関連株、運輸株、素材株も売られた。半面、金融株は高い。不動産株、軍事関連株も買われた。



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