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2022/03/21 17:33

香港大引:ハンセン0.9%安で続落、不動産と金融に売り 無料記事

 週明け21日の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比191.06ポイント(0.89%)安の21221.34ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が121.94ポイント(1.66%)安の7244.48ポイントとそろって続落した。売買代金は1490億3170万香港ドルに縮小している(18日は2366億8430万香港ドル)。
 様子見ムードが漂う流れ。中国当局が市場安定化の方針を先週表明する中、具体的な政策を見極めたいとするスタンスが上値を重くしている。資源高による景気下押しの警戒感もくすぶる状況。制裁措置によりロシア産原油の供給不足が指摘される中、WTI原油先物は再び騰勢を強めている。もっとも、大きく売り込む動きはみられない。中国では、新型コロナウイルス感染再拡大による経済活動縮小の不安がやや薄らいでいる。深セン市政府は20日、市内の企業活動を21日から正常に戻すと発表した。香港の各指数はプラス圏で推移する場面もみられている。
 なお、中国人民銀行(中央銀行)は21日、銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を予想通り据え置いた。人民銀は先週、主導的な金融政策を実施し、新規融資の適度な増加を促す方針を示している。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が8.1%安、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(カントリー・ガーデン・ホールディングス:2007/HK)が6.2%安、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が6.1%安と下げが目立った。
 セクター別では、中国の不動産が安い。上記した碧桂園のほか、万科企業(2202/HK)が5.8%、中国海外発展(688/HK)が4.4%、華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド:1109/HK)が3.5%ずつ下落した。なお、流動性危機に直面する不動産デベロッパー大手、中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ:3333/HK)は本日、関連会社などと共に売買を一時停止している。
 中国金融セクターもさえない。招商銀行(3968/HK)が2.4%安、中国建設銀行(939/HK)が1.7%安、中国平安保険(2318/HK)が5.6%安、中国人寿保険(2628/HK)が2.4%安で取引を終えた。
 他の個別株動向では、国務院系セメントメーカーの華潤水泥HD(チャイナ・リソーシズ・セメント:1313/HK)が8.1%安。通期決算の減益と配当の減額見通しが嫌気された。
 半面、都市ガス関連の銘柄は高い。新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が12.5%、華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が9.8%ずつ上昇した。新奥能源と華潤燃気に関しては、決算内容も好感されている。両社の通期決算はそれぞれ増益となり、配当の増額も予定された。
 半導体セクターもしっかり。晶門半導体(2878/HK)が6.6%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が2.9%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.4%高、華虹半導体(1347/HK)が1.8%高と値を上げた。半導体ファウンドリ中国大手の華虹半導体については、上海のハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」に上場する計画が進ちょくしたことも好感されている。
 一方、本土マーケットは小幅ながら4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.08%高の3253.69ポイントで取引を終了した。石炭株が高い。医薬品株、素材株、自動車株、ハイテク株、不動産株なども買われた。半面、金融株は安い。公益株、食品飲料株、運輸株の一角も売られた。



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