/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2022/03/07 13:34

香港前場:ハンセン3.4%安で続落、上海総合は1.5%下落 無料記事

 週明け7日前場の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比746.11ポイント(3.41%)安の21159.18ポイントと続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が238.13ポイント(3.10%)安の7448.74ポイントと4日続落した。売買代金は1023億4350万香港ドルに拡大している(4日前場は820億440万香港ドル)。
 世界経済の先行き不安が強まる流れ。米欧がロシア産原油の輸入禁止を検討していると伝わり、時間外取引のWTI原油先物は7日朝方、一時、2008年9月以来となる1バレル130米ドル台に高騰した。インフレの深刻化は、個人消費の冷え込みや企業収益の悪化につながると危ぐされている。また、香港域内で新型コロナウイルス感染再拡大が止まらず、域内経済の落ち込みも警戒された。一方、中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)は先週スタート。李克強・首相が開幕式で読み上げた「政府活動報告」では、経済の安定成長を重視するスタンスが明示されたものの、現時点で好感する買いは限定されている。(亜州リサーチ編集部)
 「ニューエコノミー」関連銘柄に売りが先行。ハンセン科技指数は3.9%下落し、指数公表以来の安値を連日で更新した。構成銘柄はほぼ全面安となっている(30のうち28が下落)。個別では、旅行サイト中国大手の携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が9.5%安、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が7.9%安、オンライン医療サービスの京東健康(JDヘルス・インターナショナル:6618/HK)が7.7%安と値を下げた。
 旅行代理店や空運、カジノなどレジャー関連も安い。上記したトリップドットコムのほか、同程旅行HD(トンチェン・トラベル・ホールディングス:780/HK)が9.5%、中国国際航空(753/HK)が7.9%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が6.5%、新濠国際発展(メルコ・インターナショナル:200/HK)が8.3%、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が7.3%ずつ下落した。
 自動車セクターも急落。長城汽車(2333/HK)が6.1%安、吉利汽車HD(175/HK)が5.9%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が5.7%安、東風汽車集団(489/HK)が5.0%安で引けた。長城汽車や吉利汽車などはロシア市場の開拓に力を入れてきた経緯もあり、同国経済の混乱が影響すると不安視された。
 香港に拠点を置く銀行もさえない。渣打集団(スタンダード・チャータード:2888/HK)が6.9%安、HSBC(5/HK)が6.6%安、中銀香港(2388/HK)が3.5%安で前場取引を終えた。HSBCは小規模ながらロシア事業を展開、渣打集団はポーランドなど周辺国で事業をおこなっている。対露制裁の余波が警戒された。
 半面、石油や非鉄の一角は高い。石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が3.3%、石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が1.5%、ニッケル大手の新疆新キン鉱業(3833/HK)が5.4%、アルミニウム中国最大手の中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が2.8%ずつ上昇した。市況高が追い風。非鉄については、ロンドン金属取引所(LME)で7日、アルミが最高値を連日で更新し、ニッケルが14年ぶりの高値を付けた。
 一方、本土マーケットは4日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.48%安の3396.73ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が安い。ハイテク株、医薬品株、金融株、運輸株、インフラ関連株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。不動産株も買われた。



内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース