18日前場の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前日比512.70ポイント（2.38％）安の20988.53ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が241.37ポイント（3.26％）安の7166.20ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は917億4050万香港ドルに細っている（17日前場は1766億1150万香港ドル）。
　売り圧力が意識される流れ。指数はこのところ上昇ピッチが速く、ハンセン指数は2営業日で累計16.8％上昇していた。米国の対中圧力も警戒。ウクライナ情勢を巡り、米中首脳は18日（日本時間の今夜）に電話協議する。ブリンケン米国務長官は17日、「中国がロシアを支持する姿勢を見せた場合、米国は代償を支払わせると大統領は述べるだろう」と語った。また、中国で新型コロナウイルス感染が再拡大し、各地で行動抑制を強化していることも改めて懸念された。もっとも、中国経済対策の期待感は根強く、下値を叩くような売りはみられていない。(亜州リサーチ編集部)
　「ニューエコノミー」関連銘柄が急反落。ハンセン科技（テック）指数は5.6％安と他の指数をアンダーパフォームした（構成銘柄30のうち28下落）。個別では、動画配信プラットフォーム中国大手のビリビリ（9626/HK）が16.6％安、不動産開発業者向けソフトウエアの明源雲集団HD（909/HK）が13.6％安、高性能データセンター開発・運営の万国数拠HD（GDSホールディングス：9698/HK）が10.8％安と下げが目立った。
　デベロッパーや管理サービスの中国不動産セクターも安い。世茂集団HD（813/HK）が10.3％、合景泰富集団HD（1813/HK）が8.0％、融創中国HD（1918/HK）が5.6％、雅生活智慧城市服務（3319/HK）が14.7％、融創服務HD（1516/HK）が11.0％ずつ下落した。
　天然ガス関連の銘柄も急落。港華智慧能源（タウンガス・スマート・エナジー：1083/HK）が14.8％安、昆侖能源（クンルン・エナジー：135/HK）が5.4％安、中国燃気HD（中国ガス：384/HK）が5.0％安、華潤燃気HD（華潤ガス：1193/HK）が3.9％安で引けた。
　家電やスポーツ用品、酒造など消費セクターもさえない。海爾智家（ハイアール・スマート・ホーム：6690/HK）が7.4％安、創維集団（スカイワース・グループ：751/HK）が2.5％安、李寧（2331/HK）が6.2％安、安踏体育用品（ANTAスポーツ・プロダクツ：2020/HK）が3.3％安、青島ビール（168/HK）が2.4％安、華潤ビールHD（291/HK）が1.9％安と値を下げた。
　半面、石油生産・掘削や石炭の銘柄はしっかり。中国海洋石油（CNOOC：883/HK）が3.0％高、中国石油天然気（ペトロチャイナ:857/HK）が1.6％高、中海油田服務（2883/HK）が2.7％高、エン鉱能源集団（1171/HK）が3.1％高、中国中煤能源（1898/HK）が1.1％高で前場取引を終えた。原油高が追い風。原油需給のひっ迫が改めて懸念され、昨夜のWTI原油先物は8.4％高と急反発した。
　一方、本土マーケットも3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.22％安の3208.00ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が安い。ハイテク株、素材株、証券株、防衛関連株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。公益株、不動産株、医薬品株、運輸株、銀行株も買われた。



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