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2022/03/10 17:42

香港大引:ハンセン1.3%高で5日ぶり反発、過度なインフレ懸念後退 無料記事

 10日の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前日比262.55ポイント(1.27%)高の20890.26ポイントと5日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が66.24ポイント(0.92%)高の7255.82ポイントと7日ぶりにそれぞれ反発した。売買代金は1462億4700万香港ドルに縮小している(9日は1852億9280万香港ドル)。
 過度なインフレ懸念の後退で、投資家に買い安心感が広がる流れ。OPEC加盟国による増産観測が広がり、昨夜のWTI原油先物は12.1%安と4日ぶりに急反落した。小麦や鉄鋼、一部の非鉄なども大幅に値下がりしている。商品市況高の一服で、個人消費の冷え込みや企業収益の悪化に対する警戒感もひとまず薄らいだ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、太陽光発電用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が7.4%高、電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD:1211/HK)が5.4%高、香港域内大手行の中銀香港(2388/HK)が5.1%高と上げが目立った。
 セクター別では、自動車が高い。上記したBYDのほか、理想汽車(リ・オート:2015/HK)が8.6%、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK)が6.7%、広州汽車集団(2238/HK)が4.4%ずつ上昇した。なお本日は、新興EVメーカーの蔚来汽車(ニーオ:9866/HK、NIO/NYSE)が資金調達を伴わない「紹介形式」で香港に重複上場している。終値は158.90香港ドル。香港上場株と米国預託株式(ADS)の交換比率は1対1(1ADS=クラスA株式1株)となるため、米市場の9日終値(20.17米ドル、約157香港ドル)と比べると1.2%の上昇だ。
 太陽光や風力の再生可能エネルギー発電関連も急伸。上述した信義光能のほか、陽光能源HD(757/HK)が44.3%高、保利協キン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が10.9%高、中国水発興業能源集団(旧社名・中国興業太陽能技術HD:750/HK)が8.5%高、新疆金風科技(2208/HK)が5.0%高、龍源電力集団(916/HK)が2.7%高と値を上げた。5日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では(会期は11日まで)、カーボンピーク、カーボンニュートラルの目標達成に注力する方針が改めて示されている。太陽光発電用シリコンインゴット生産の陽光能源に関しては、通期決算の黒字転換見通しも刺激材料となった。
 食品飲料や家電、スポーツ用品など中国消費セクターも物色される。統一企業中国HD(220/HK)が7.1%高、康師傅HD(322/HK)が2.9%高、中国旺旺HD(151/HK)が2.0%高、創維集団(スカイワース・グループ:751/HK)が12.7%高、TCL電子HD(1070/HK)が3.5%高、安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が3.7%高、中国動向(3818/HK)が2.0%高で引けた。
 半面、石炭や石油生産・掘削などエネルギー関連の一角はさえない。エン鉱能源集団(1171/HK)が1.2%安、中国神華能源(1088/HK)が1.1%安、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が3.8%安、中海油田服務(2883/HK)が4.1%安と下落した。
 一方、本土マーケットは7日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.22%高の3296.09ポイントで取引を終了した。消費関連株が高い。医薬品株、公益株、素材株、ハイテク株、インフラ関連株、運輸株、銀行・保険株なども買われた。半面、エネルギー株の一角は安い。産金株、証券株も売られた。



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