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2022/03/08 17:40

香港大引:ハンセン1.4%安で3日続落、内外に不安材料 無料記事

 8日の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前日比291.76ポイント(1.39%)安の20765.87ポイントと3日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が174.79ポイント(2.36%)安の7237.80ポイントと5日続落した(ハンセン指数は約5年8カ月ぶり安値)。売買代金は1707億6990万香港ドルとなっている(7日は1775億9490万香港ドル)。
 内外の不安材料で売られる流れ。米欧の首脳は7日に電話会談し、ウクライナに軍事侵攻するロシアに対する経済制裁を今後も強めていくことで一致した。この影響で資源価格の高騰が続き、世界経済の混乱が危ぐされている。内部的には、産業統制の動きが警戒される状況。5日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の「政府活動報告」には、大手プラットフォーム企業の手数料を引き下げを促す方針が盛り込まれた。引き続き関連銘柄にとっての逆風となっている。(亜州リサーチ編集部)
 ネット関連に売りが継続。ハンセン科技指数は3.2%安と続落し、指数公表以来の安値を連日で更新した。関連する構成銘柄では、動画配信プラットフォーム中国大手のビリビリ(9626/HK)が8.4%安、旅行サイト中国大手の携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が7.7%安、Eコマース中国大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)が6.7%安、インターネット保険中国最大手の衆安在線財産保険(6060/HK)が6.3%安などと値を下げている。
 自動車セクターも安い。小鵬汽車(エックスポン:9868/HK)が12.9%、比亜迪(BYD:1211/HK)が9.4%、吉利汽車HD(175/HK)が7.4%、長城汽車(2333/HK)が4.8%ずつ下落した。ロシアで事業展開している吉利汽車や長城汽車に関しては、同国経済の落ち込みも懸念されている。
 非鉄や鉄鋼、セメントなど素材セクターも急落。中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が9.4%安、江西銅業(358/HK)が7.6%安、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が7.8%安、鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)が6.5%安、中国建材(3323/HK)が5.3%安、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が3.7%安で引けた。
 食品飲料や酒造の消費セクターも売られる。統一企業中国HD(ユニプレジデント・チャイナ:220/HK)が16.1%安、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が8.4%安、華潤ビールHD(291/HK)が8.5%安、百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が4.6%安と値を下げた。小麦など穀物価格が連日で過去最高値を更新する中、原料高が利益を圧迫すると不安視されている。ウクライナは世界有数の小麦産地ということもあり、ロシアの軍事作戦長期化によっては、更に価格が上昇すると悲観された。
 一方、本土マーケットは5日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比2.35%安の3293.53ポイントで取引を終了した。素材株が安い。運輸関連株、金融株、公益株、医薬品株、不動産株、自動車株、エネルギー株、インフラ関連株なども売られた。半面、半導体株、酒造株の一角は物色されている。



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