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2022/03/30 13:36

香港前場:ハンセン1.2%高で3日続伸、上海総合は1.3%上昇 無料記事

 30日前場の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前日比253.06ポイント(1.15%)高の22180.69ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が72.15ポイント(0.96%)高の7585.15ポイントとそろって3日続伸した。売買代金は789億80万香港ドルとなっている(29日前場は675億6000万香港ドル)。 
 内外環境の改善で投資のリスク選好が強まる流れ。中国の経済対策や香港の経済活動正常化に対する期待感が持続したほか、ウクライナとロシアの停戦交渉進展が買い安心感につながった。昨夜開かれた協議では、ウクライナは「条件が整えば、ロシアが要求する『中立化』に応じる」と伝え、ロシアは「キエフなどでの軍事作戦を大幅縮小する」と表明している。世界経済が混乱するとの不安がやや薄らいだ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が6.4%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.3%高、域内大手行の中銀香港(2388/HK)が5.1%高と上げが目立った。中銀香港が発表した通期決算は13%減益。これを嫌気する売りは限定されている。
 セクター別では、エアラインや旅行代理店、カジノなどレジャー関連が高い。中国国際航空(753/HK)が4.6%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が3.1%、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が2.4%、香港中旅国際投資(チャイナ・トラベル:308/HK)が2.0%、澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)が4.0%、新濠国際発展(メルコ・インターナショナル:200/HK)が2.7%ずつ上昇した。
 中国不動産セクターも急伸。世茂集団HD(813/HK)が13.0%高、融創中国HD(1918/HK)が11.0%高、合景泰富地産HD(1813/HK)が9.0%高、広州富力地産(2777/HK)が6.9%高と値を上げた。
 ゼネコンや建機、セメントなどインフラ建設関連も物色される。中国鉄建(1186/HK)が1.9%高、中国交通建設(1800/HK)が1.4%高、中国龍工HD(3339/HK)が3.3%高、中聯重科(1157/HK)が1.6%高、中国建材(3323/HK)が5.0%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が2.3%高で引けた。
 他の個別株動向では、半導体ファウンドリ中国大手の華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が3.0%高。同社の通期決算は利益が2.6倍に拡大し、売上高は過去最大を記録している。同様に過去最大の売上を計上した長城汽車(2333/HK)も5.2%上昇した。
 半面、「ニューエコノミー」関連銘柄の一角は安い。ハンセン科技(テック)指数の上昇率は0.3%にとどまった。個別では、中国EMS(電子機器製造受託サービス)業者の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が5.5%安、ショート動画投稿アプリの快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が4.8%安と値を下げている。快手科技については、通期決算の実質赤字拡大、中国当局の規制強化が売り材料視された。外電は30日午前、「中国当局はライブストリーミングに新たな規制を計画している」と報じている。動画配信プラットフォーム大手のビリビリ(9626/HK)も1.8%下げた。
 そのほか、フロートガラス中国大手の洛陽玻璃(洛陽ガラス:1108/HK)が13.9%安。通期業績の29%減益が嫌気された。
 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.29%高の3245.23ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が高い。消費関連株、インフラ関連株、ハイテク株、金融株、空運株、医薬品株なども買われた。半面、エネルギー株は売られている。


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