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2022/03/29 13:26

香港前場:ハンセン0.5%高で続伸、上海総合0.4%下落 無料記事

 29日前場の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比98.59ポイント(0.45%)高の21783.56ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が48.90ポイント(0.66%)高の7445.15ポイントと小幅ながらそろって続伸した。売買代金は675億6000万香港ドルに縮小している(28日前場は839億1660万香港ドル)。 
 中国経済対策の期待感が強まる流れ。証券専門紙が29日までに、中国人民銀行(中央銀行)は4〜6月期の流動性を確保するため、近く預金準備率を引き下げる可能性がある――などと報じた。域内で新型コロナウイルス感染再拡大が落ち着きつつあることもプラス。香港衛生当局が28日発表したところによれば、27日0〜24時の新規感染は再拡大が始まった2月23日以降で最少となり、3日連続で1万人を下回った。一方、中国本土では感染者の増加に歯止めがかからず、上海市が事実上のロックダウン(都市封鎖)に突入している。全体相場を重くする一因となった。(亜州リサーチ編集部)
 「ニューエコノミー」関連銘柄に買いが先行。ハンセン科技(テック)指数は0.8%上昇し、他の指数をアウトパフォームした。個別では、オンライン医療サービスの京東健康(JDヘルス・インターナショナル:6618/HK)が15.6%高、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)と高性能データセンター開発・運営の万国数拠HD(GDSホールディングス:9698/HK)がそろって7.4%高と値を上げている。京東健康については、決算内容が好感されている。同社が発表した通期決算は赤字継続だったが、損失額は前年から大幅に減少。自社株買いの計画も明らかにした。
 医薬品セクターも高い。百済神州(ベイジーン:6160/HK)が7.3%、上海復星医薬集団(2196/HK)が5.2%、薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が3.8%、康哲薬業HD(チャイナ・メディカル・システム・ホールディングス:867/HK)が3.2%ずつ上昇した。
 中国自動車セクターもしっかり。蔚来汽車(ニーオ:9866/HK)が4.8%高、吉利汽車HD(175/HK)が3.1%高、長城汽車(2333/HK)が2.6%高、理想汽車(リ・オート:2015/HK)が1.3%高で引けた。
 他の個別株動向では、ミネラルウォーター中国最大手の農夫山泉(ノンフー・スプリング:9633/HK)が2.4%高。同社が発表した通期決算は4割増益となり、配当の増額も予定された。
 半面、中国不動産セクターは安い。融創中国HD(1918/HK)が19.4%、広州富力地産(2777/HK)が7.9%、世茂房地産HD(813/HK)が6.9%、雅居楽集団HD(3383/HK)が5.7%ずつ下落した。民営デベロッパーの融創中国に関しては、規定の期日(3月31日)までに監査済みの決算を発表できないとして、4月1日付で株式売買を一時停止すると発表したことが売り材料視されている。
 中国発電セクターの一角もさえない。華電国際電力(1071/HK)が3.7%安、華潤電力HD(836/HK)が2.5%安、華能国際電力(902/HK)が2.1%安と値を下げた。華電国際電力が公表された決算では、純損益が赤字に転落している。
 ほか、即席麺・飲料大手の康師傅HD(ティンイー:322/HK)が5.6%安。同社の決算は6%減益となり、配当の減額も予定された。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.43%安の33200.65ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が安い。自動車株、不動産株、素材株、インフラ関連株なども売られた。半面、医薬品株は高い。エネルギー株、公益株、海運株、食品飲料株、銀行株も買われた。


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