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2022/05/10 13:29

香港前場:ハンセン2.8%安で4日続落、上海総合は0.2%上昇 無料記事

 休場明け10日前場の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比565.23ポイント(2.83%)安の19436.73ポイントと4日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が224.35ポイント(3.29%)安の6585.17ポイントと5日続落した。売買代金は842億5780万香港ドルに拡大している(6日前場は634億2060万香港ドル)。
 世界景気の先行き不安が強まる流れ。中国指標の悪化と欧米の金利高が嫌気された。昨日公表された今年4月の中国貿易統計は、輸出の伸びが元建てベースで1.9%にとどまり、前月の12.9%から予想(3.1%)以上に鈍化している。昨夜の債券市場では、米10年債利回りが高止まりし、一時、約3年半ぶりの高水準を付けた。また、ドイツ10年債利回りは一時8年ぶりの高い水準に達している。
 米国の対中圧力もネガティブ材料。米証券取引委員会(SEC)は9日、「外国企業説明責任法(HFCAA)」に抵触する上場企業の暫定リストに、滴滴出行(DIDI/NYSE)など11社を追加した。会計監査などで米中が合意できなかった場合、上場廃止の恐れがある。これより先、SECは4日に中国企業88社をリストに追加。3月以降、暫定・確定リスト入りした企業は計139社に上る。(亜州リサーチ編集部)
 「ニューエコノミー」関連銘柄に売りが先行。ハンセン科技(テック)指数は4.7%安と他の指数をアンダーパフォームした。個別では、半導体ファウンドリ中国大手の華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が13.1%安、高性能データセンター開発・運営の万国数拠HD(GDSホールディングス:9698/HK)と新興電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(エックスポン:9868/HK)がそろって11.5%安と値を下げている。華虹半導体については、米国の締め付けが懸念材料。米商務省は新たに、国内企業による中国企業への先進的な半導体製造装置の販売を禁止することを検討しているもよう――と伝わった。
 小鵬汽車のほかにも電気自動車(EV)関連が急落。蔚来汽車(ニーオ:9866/HK)が8.9%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が8.0%安、理想汽車(2015/HK)が6.4%安で前場取引を終えた。BYDに関しては、異臭問題の浮上で長沙工場(湖南省)が操業を停止し、改修作業に着手したもよう――と報じられたことも売り材料視されている。現時点でこの改修作業が納車に影響するかどうかは不明という。
 石炭・石油セクターも安い。エン鉱能源集団(1171/HK)が8.0%、中国中煤能源(1898/HK)が7.2%、中国神華能源(1088/HK)が5.9%、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が5.6%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が5.3%ずつ下落した。
 海運セクターもさえない。中遠海運能源運輸(1138/HK)が13.5%安、中遠海運HD(1919/HK)が4.8%安、海豊国際HD(1308/HK)が3.3%安、東方海外(316/HK)が3.2%安で引けた。
 一方、本土マーケットは小幅に続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.17%高の3009.22ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が高い。公益株、消費関連株、インフラ関連株、医薬品株、証券株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。不動産株、素材株、運輸株、銀行・保険株も売られた。



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