2025/06/09 08:40
神経質な値動きか、中国指標が気がかり 
◆週明け9日の香港マーケットは、中国指標の見極めで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は安定的。米労働市場の底堅さを背景に、米景気の過度な減速懸念が後退している。米労働省が公表した5月の米雇用統計では、(非農業部門の)雇用者数が予想以上に増加し、平均時給も前月比で予想を上回った。失業率も前月水準にとどまっている。米中の貿易交渉が進展するとの期待も持続。トランプ米大統領は6日、英国ロンドンで9日、米中の閣僚級会議が開かれると自身のSNSに投稿した。会議では中国のレアアース(希土類)輸出規制強化もテーマのひとつになるとみられている。一方、外電が報じたところによると、米自動車大手3社にレアアースを供給している業者に対し、中国当局は一時的な輸出ライセンスを付与したもようだ。
6日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.0%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.2%高と反発した。米長期金利が大幅上昇したことは重しとなったが(債券価格は続落)、雇用統計の上振れや、米中協議の進展期待が支えになっている。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.06%安と5日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が3.2%安、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が2.4%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が1.5%安と下げが目立っている。
商品相場は、原油需要が安定するとの見方で、WTI原油先物が1.9%高と続伸。一方、NY金先物は0.8%安と続落している。
内部環境はやや不透明。中国できょう9日、5月の物価統計や貿易統計が発表されることが気がかりだ。最新の市場コンセンサスでは、消費者物価指数(CPI)が前年同月比マイナス0.2%(4月はマイナス0.1%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス3.2%(同マイナス2.7%)、米ドル建て輸出が6.0%増(同8.1%増)、輸入が0.8%減(同0.2%減)で着地すると予想されている。
こうした中、本日の香港マーケットは全体として神経質な値動きか。先週の米株高を好感した買いが先行する可能性はあるものの、中国指標の結果次第では売りに拍車がかかる恐れもある。また、米中の閣僚級会議がきょう予定されているため、様子見ムードも強まりそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は安定的。米労働市場の底堅さを背景に、米景気の過度な減速懸念が後退している。米労働省が公表した5月の米雇用統計では、(非農業部門の)雇用者数が予想以上に増加し、平均時給も前月比で予想を上回った。失業率も前月水準にとどまっている。米中の貿易交渉が進展するとの期待も持続。トランプ米大統領は6日、英国ロンドンで9日、米中の閣僚級会議が開かれると自身のSNSに投稿した。会議では中国のレアアース(希土類)輸出規制強化もテーマのひとつになるとみられている。一方、外電が報じたところによると、米自動車大手3社にレアアースを供給している業者に対し、中国当局は一時的な輸出ライセンスを付与したもようだ。
6日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.0%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.2%高と反発した。米長期金利が大幅上昇したことは重しとなったが(債券価格は続落)、雇用統計の上振れや、米中協議の進展期待が支えになっている。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.06%安と5日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が3.2%安、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が2.4%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が1.5%安と下げが目立っている。
商品相場は、原油需要が安定するとの見方で、WTI原油先物が1.9%高と続伸。一方、NY金先物は0.8%安と続落している。
内部環境はやや不透明。中国できょう9日、5月の物価統計や貿易統計が発表されることが気がかりだ。最新の市場コンセンサスでは、消費者物価指数(CPI)が前年同月比マイナス0.2%(4月はマイナス0.1%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス3.2%(同マイナス2.7%)、米ドル建て輸出が6.0%増(同8.1%増)、輸入が0.8%減(同0.2%減)で着地すると予想されている。
こうした中、本日の香港マーケットは全体として神経質な値動きか。先週の米株高を好感した買いが先行する可能性はあるものの、中国指標の結果次第では売りに拍車がかかる恐れもある。また、米中の閣僚級会議がきょう予定されているため、様子見ムードも強まりそうだ。
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