/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル 亜州リサーチ公式X 亜州リサーチ公式Instagram

2025/08/05 08:46

しっかりか、内外の政策期待が支えに 無料記事

◆5日の香港マーケットは、内外の政策期待でしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。「米雇用統計ショック」を織り込みつつある。米労働省が1日発表した7月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が市場予想を下回り、過去2カ月分の雇用者数は大幅に下方修正された。米景気懸念はあるものの、米利下げ期待の高まりに投資家の関心が移っている。米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は4日、利下げ時期が近づいているとしたうえで、年内2回以上の利下げが必要となる可能性があるとの認識を示した。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策を予想する「フェドウオッチ」では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%利下げを決定する確率が9割を超え、1日の8割から更に上昇(雇用統計発表前は5割未満)。4日の米債券市場では、米10年債利回りの低下が続いている(債券価格は続伸)。
 4日の米株市場は主要指標のNYダウが前営業日比1.3%高と6日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は2.0%高と3日ぶりに反発した。このところの下落基調で買い戻しが入りやすかったうえ、米利下げ期待が一段と高まったことが相場を押し上げている。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.3%高と反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が4.5%高、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が3.9%高、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が3.6%高、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が3.6%高と上げが目立った。
 内部環境もそれほど悪くない。官民の景況感指数が悪化したことで、中国経済の鈍化懸念は高まっているものの、同時に、当局が追加の景気支援に動くとの観測も広がっている。また、中国の長期国債利回りが低水準で推移する中、配当利回りの高さも注目される状況だ。当局は昨年末、中央企業(中央政府直属の国有企業)傘下企業の価値向上に向け、現金配当引き上げなど、時価総額管理の強化を要求。銀行を始め、大型企業の配当性向は高まっている。
 なお、本日の取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に、民間集計による7月のS&Pグローバル中国サービス業PMIが公表される予定。最新の市場コンセンサスでは、6月の50.6から50.4にやや低下する見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。米利下げ観測の高まりや、中国の政策に対する期待感が相場を下支えしよう。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース