2025/12/16 08:58 NEW!!
上値の重い展開か、米雇用統計が気がかり 
◆16日の香港マーケットは、米雇用統計の発表を前に上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。米国では16日(日本時間22時30分ごろ)、米政府機関の一部閉鎖で集計が遅れていた11月の雇用統計が公表される。また、18日には11月の米消費者物価指数(CPI)が発表される予定だ。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を決めるうえで重要な判断材料となるため、内容が注目される。米景気懸念が強まったことも不安材料。12月のニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス3.9となり、予想(プラス10.0)に反し縮小圏に陥った。インフレは後退したが、受注が伸び悩んでいる。
15日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.1%安と小幅ながら続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安と3日続落した。米雇用統計の発表を前に買いが手控えられている。人工知能(AI)産業の収益懸念がくすぶっていることも、引き続き重しとなった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、AI向け販売の売上高見通しがさえなかった半導体のブロードコムは5.6%安と3日続落している。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.2%安と3日続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、小馬智行(ポニーAI::PONY/NASDAQ、2026/HK)が5.0%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が3.6%安、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が3.6%安と下げが目立った。
内部環境は中立。中国の景気不安と政策期待が交錯している。前日までに公表された中国の月次経済統計では、11月の小売売上高や鉱工業生産が予想を下回り、1〜11月の固定資産投資や不動産投資は予想以上に減少率が拡大。また、11月の金融統計では、人民元建て新規融資額などが市場予想を下回った。内需の弱さが続いている。一方、当局が追加の景気支援策を打ち出すとの期待は根強い。商務部など関連部局は14日、重点消費分野で金融支援を強化し、消費喚起を一段と促進するとの通知を発表した。また市場関係者からは、政策金利や預金準備率の引き下げが短期内に実施される可能性が指摘されている。また、16日発行の中国共産党機関誌「求是」に、内需拡大は戦略的な措置だとした習近平・国家主席の重要文章が掲載されたことも改めて内需刺激策の期待を高めよう。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米雇用統計の発表が気がかりだ。米金融政策は香港や中国本土にも影響を及ぼす。ただ、中国経済対策の期待感が高まっていることもあり、下値を叩くような売りも出ないだろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。米国では16日(日本時間22時30分ごろ)、米政府機関の一部閉鎖で集計が遅れていた11月の雇用統計が公表される。また、18日には11月の米消費者物価指数(CPI)が発表される予定だ。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を決めるうえで重要な判断材料となるため、内容が注目される。米景気懸念が強まったことも不安材料。12月のニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス3.9となり、予想(プラス10.0)に反し縮小圏に陥った。インフレは後退したが、受注が伸び悩んでいる。
15日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.1%安と小幅ながら続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安と3日続落した。米雇用統計の発表を前に買いが手控えられている。人工知能(AI)産業の収益懸念がくすぶっていることも、引き続き重しとなった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、AI向け販売の売上高見通しがさえなかった半導体のブロードコムは5.6%安と3日続落している。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.2%安と3日続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、小馬智行(ポニーAI::PONY/NASDAQ、2026/HK)が5.0%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が3.6%安、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が3.6%安と下げが目立った。
内部環境は中立。中国の景気不安と政策期待が交錯している。前日までに公表された中国の月次経済統計では、11月の小売売上高や鉱工業生産が予想を下回り、1〜11月の固定資産投資や不動産投資は予想以上に減少率が拡大。また、11月の金融統計では、人民元建て新規融資額などが市場予想を下回った。内需の弱さが続いている。一方、当局が追加の景気支援策を打ち出すとの期待は根強い。商務部など関連部局は14日、重点消費分野で金融支援を強化し、消費喚起を一段と促進するとの通知を発表した。また市場関係者からは、政策金利や預金準備率の引き下げが短期内に実施される可能性が指摘されている。また、16日発行の中国共産党機関誌「求是」に、内需拡大は戦略的な措置だとした習近平・国家主席の重要文章が掲載されたことも改めて内需刺激策の期待を高めよう。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米雇用統計の発表が気がかりだ。米金融政策は香港や中国本土にも影響を及ぼす。ただ、中国経済対策の期待感が高まっていることもあり、下値を叩くような売りも出ないだろう。
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