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2025/06/16 08:47

中東情勢の緊迫化で売り先行か、中国指標も注視 無料記事

◆週明け16日の香港マーケットは、中東情勢の緊迫化で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。中東地域の地政学リスクが高まっている。イスラエル軍は13日、イラン各地の核施設や軍事施設など100カ所以上の標的を攻撃したと発表。イランはドローン(無人機)やミサイルでイスラエルに報復攻撃を行った。衝突はエスカレートし、14日にはイスラエル軍のイランガス田攻撃で、ガス生産が一時停止に追い込まれている。イランによるホルムズ海峡封鎖の警戒感も高まり、原油供給が滞るとの不安も広がった。
 13日のNY商品取引所では、WTI原油先物が前日比7.3%高と急騰。NY金先物は1.5%高の3452.8米ドル(1トロイオンス)と3日続伸し、4月に付けた史上最高値(3509.9米ドル)に接近した。
 同日の米株市場は、主要指標のNYダウが1.8%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.3%安と反落。中東情勢の緊迫化による原油高を背景に、インフレが再加速すると懸念されている。
 中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.7%安と大幅に続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が6.8%安、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が5.5%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が3.9%安と下げが目立っている。
 内部環境もやや不透明。中国ではきょうの取引時間中に(日本時間11時ごろ)、5月の小売売上高や鉱工業生産などが公表される。市場コンセンサス予想では、4月実績をやや下回る見込みだ。中国人民銀行(中央銀行)が13日に公表した金融統計では、マネーサプライ(通貨供給量)M2の伸びと人民元建て新規融資額が市場予想を下回っている。それより先の月次経済統計では、米ドル建て輸出が予想以上に減速し、輸入は予想以上に減少。物価統計ではデフレ傾向の継続が明らかとなった。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売り先行か。中東地域の地政学リスクが引き続き投資家のリスク回避スタンスを強めそうだ。また、中国指標の内容によっては相場が乱高下する可能性もあろう。


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