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2025/08/13 09:01

買い先行か、内外に好材料 無料記事

◆13日の香港マーケットは、内外の好材料で買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。米物価高の過度な警戒感が後退する中、米利下げ観測が再び強まっている。12日朝方に公表された7月の米消費者物価指数(CPI)は上昇率が前月比0.2%と市場予想に一致し、6月の0.3%から鈍化。食品・エネルギー価格を除いたコアCPIの上昇率は0.3%と前月の0.2%から加速したが、予想通りだった。物価上昇圧力がそれほど高まっていないとの見方が広がり、米連邦準備理事会(FRB)が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げする確率は90%近くに上昇したとみられている。また、ベッセント米財務長官は12日、FRBが9月の次回会合で0.50%ポイントの利下げを検討するべきだとの考えを示した。
 12日の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.1%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.4%高と反発。ナスダック指数は2日ぶりに史上最高値を更新した。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.5%高と続3日ぶりに反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が11.8%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が3.2%高、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が3.0%高と上げが目立った。テンセント・ミュージックについては、4〜6月期決算の18%増収が材料視されている。
 内部環境も悪くない。中国の政策に対する期待感が根強い状況だ。当局は12日、消費喚起に向け、サービス業や個人の借り入れ負担軽減策を発表。うち、個人向けでは、住宅や自動車、教育、旅行、健康など主要消費分野のローンを対象に助成金を支給する方針を明らかにした。当局は製造業の「内巻」(過当競争)是正に向けた動きを強めているほか、少子化対策にも注力。また、内需拡大に向け、総投資額が約1兆2000億人民元(約24兆8200億円)に上る世界最大級の大規模水力発電ダム建設も着工した。
 ただ、気がかり材料もある。中国では今週、15日に7月の小売売上高や鉱工業生産、1〜7月の固定資産投資、7月の金融統計も週内に報告される予定だ。そのほか、香港上場する主要企業の中間決算報告も進んでいる。きょう13日は騰訊HD(700/HK)や電能実業(6/HK)、14日は吉利汽車HD(175/HK)や香港鉄路(66/HK)、京東集団(9618/HK)、京東健康(6618/HK)、京東物流(2618/HK)、網易(9999/HK)、長江実業集団(1113/HK)、長江和記実業(1/HK)、中国電信(728/HK)などだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行しそうだ。米利下げ観測の高まりや中国経済対策の期待感が相場を支えよう。香港は金融政策で米国に追随するため、域内の金利低下も期待される。


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