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2025/06/18 08:52

売り先行か、中東地域の地政学リスクが逆風 無料記事

◆18日の香港マーケットは、中東情勢の緊迫化懸念で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。中東地域の地政学リスクが高まっている。トランプ米大統領は17日、カナダで開催の主要7カ国首脳会議(G7)を途中で切り上げ、国家安全保障会議(NSC)を招集し、中東問題を協議した。核開発を巡るイランとイスラエルの軍事衝突に収束の気配はなく、複数の米メディアは、大統領が米軍による核施設攻撃を検討していると報道。トランプ氏は自身のSNSに、イランに対し、核兵器の保有につながる濃縮ウラン活動停止に向けた「無条件降伏」を要求すると投稿した。米国の軍事介入で、中東情勢が緊迫化すると危惧されている。
 17日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.7%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.9%安と反落した。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は21.59となり、前日比で12.92%上昇。再び節目の20を上回っている。中東情勢の混迷化に加え、米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、18日に結果発表やパウエルFRB議長会見が行われることも気がかり材料となった。
 中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.8%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が4.5%安、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が3.5%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が2.4%安と下げが目立っている。
 商品相場では、中東地域からの原油供給が滞るとの警戒感で、WTI原油先物が4.3%高と急反発した。NY金先物は0.3%安と続落。米ドルが主要通貨に対して上昇し、ドル資産の代替とされる金に売りが続いた。
 一方、内部環境に目立った手がかりはない。中国景気の鈍化が警戒される中、当局が追加の刺激策を打ち出すとの観測はあるものの、具体的な動きはみられない。中国の主要な月次経済統計は発表がほぼ一巡し、重要指標では30日に公表される6月の製造業PMIと非製造業PMIを残すのみとなった。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。中東地域の地政学リスクが引き続き投資家心理の重しとなる。原油高によるインフレ高進も不安材料だ。


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