2025/08/08 08:45
神経質な値動きか、米景気懸念が重しに 
◆8日の香港マーケットは、米景気懸念で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はややネガティブ。米経済のスタグフレーション(不況下のインフレ)が改めて意識されている。米労働市場の軟化による景気懸念や、インフレ高進の見方が強まったためだ。米労働省が7日公表した新規失業保険申請件数(週間)は予想を上回り、1カ月ぶりの高水準となっている。前週発表された7月の雇用統計も大幅に下振れていた。物価動向に関しては、NY連銀が7月の消費者調査を公表し、1年先と5年先の予想インフレ率が前月から上昇したことを明らかにしている。そのほか、米政府が新たな相互関税率を米時間7日午前0時1分(日本時間7日午後1時1分)から適用したことで、世界景気が冷やされるとの懸念もくすぶる状況だ。
7日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.5%安と反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と続伸し、7月28日に付けた史上最高値を更新した。米経済の先行き不透明感で、景気敏感株や消費関連株が売られている。半面、人工知能(AI)投資の拡大が見込まれる中、半導体株に買いが入った。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.0%高と続伸している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が2.0%高、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が1.9%高、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が1.3%高と上げが目立った。
一方、内部環境は悪くない。7日に報告された7月の中国貿易統計では、米ドル建て輸出と輸入が予想を上回り、伸びは6月から拡大した。中国の景気懸念も薄らいでいる。HSBCは最新リポートで、2025年の中国GDP成長率予想を従来の4.5%から4.9%に引き上げた。追加の支援策が打ち出される可能性が高いと分析している。また、格付け会社S&Pグローバルは7日、中国の長期信用格付けを「A+」に据え置き、格付け見通しを「安定的」とした。強力な財政刺激策が中国の経済成長を支えるとの見解を示している。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の景気懸念が薄らいでいることは支えとなりそうだが、米景気懸念が強まっていることはマイナス材料だ。米関税政策の不透明感も重しとなろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はややネガティブ。米経済のスタグフレーション(不況下のインフレ)が改めて意識されている。米労働市場の軟化による景気懸念や、インフレ高進の見方が強まったためだ。米労働省が7日公表した新規失業保険申請件数(週間)は予想を上回り、1カ月ぶりの高水準となっている。前週発表された7月の雇用統計も大幅に下振れていた。物価動向に関しては、NY連銀が7月の消費者調査を公表し、1年先と5年先の予想インフレ率が前月から上昇したことを明らかにしている。そのほか、米政府が新たな相互関税率を米時間7日午前0時1分(日本時間7日午後1時1分)から適用したことで、世界景気が冷やされるとの懸念もくすぶる状況だ。
7日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.5%安と反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と続伸し、7月28日に付けた史上最高値を更新した。米経済の先行き不透明感で、景気敏感株や消費関連株が売られている。半面、人工知能(AI)投資の拡大が見込まれる中、半導体株に買いが入った。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.0%高と続伸している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が2.0%高、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が1.9%高、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が1.3%高と上げが目立った。
一方、内部環境は悪くない。7日に報告された7月の中国貿易統計では、米ドル建て輸出と輸入が予想を上回り、伸びは6月から拡大した。中国の景気懸念も薄らいでいる。HSBCは最新リポートで、2025年の中国GDP成長率予想を従来の4.5%から4.9%に引き上げた。追加の支援策が打ち出される可能性が高いと分析している。また、格付け会社S&Pグローバルは7日、中国の長期信用格付けを「A+」に据え置き、格付け見通しを「安定的」とした。強力な財政刺激策が中国の経済成長を支えるとの見解を示している。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の景気懸念が薄らいでいることは支えとなりそうだが、米景気懸念が強まっていることはマイナス材料だ。米関税政策の不透明感も重しとなろう。
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