2025/07/29 08:46 NEW!!
上値の重い展開か、米中協議を見極め 
◆29日の香港マーケットは、米中協議の見極めで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は安定的。米国と貿易相手国の関税交渉については、楽観的な見方が支配的となっている。日本と欧州連合(EU)の追加関税がそれぞれ15%に引き下げられたことで、カナダやメキシコ、韓国なども関税は低めに設定されるとの見方強まった。また、トランプ米大統領は28日、個別交渉していない国に対する関税率は15〜20%の範囲になるだろうと述べている。世界貿易の停滞に対する過度な警戒感もやや薄らいだ。なお、米中は閣僚級の貿易協議を28日に開始。予定通り29日も交渉が継続される。
28日の米株市場は、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数が前営業日比で0.01%上昇し、小幅ながら6日連続で史上最高値を更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と4日続伸し、連日で最高値を切り上げている。ただ、主要指標のNYダウは0.1%安と反落した。EUなどとの貿易合意は引き続き支えとなったが、今週はハイテク大手の決算発表が集中するほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)が29〜30日まで開かれ、7月の米雇用統計が8月1日に公表されることが重しとなっている。結果を見極めたいとするムードが広がった。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%安と3日続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が3.5%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が2.3%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が1.8%安と下げが目立った。
内部環境はやや不透明。中国景気の先行き不安がくすぶっている。27日に報告された工業企業利益は、1〜6月が前年同期比1.8%減となり1〜5月の1.1%減から減少幅が拡大した。6月単月では前年同月比4.3%減と、5月の9.1%減から減少幅が縮小したが、依然としてマイナスが続いている。価格競争の激化などで、生産者物価が下落していることが一因と分析された。31日に国家統計局などによる7月の製造業PMIと非製造業PMIが公表されることも気がかり。最新の市場コンセンサスでは、製造業PMIが6月の49.7と同水準、非製造業PMIは6月の50.5から50.3にやや低下する見通しだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開となろう。中国の景気動向や米国の金融動向に加え、米中協議の結果を見極めたいとするスタンスが買い手控え要因として意識されよう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は安定的。米国と貿易相手国の関税交渉については、楽観的な見方が支配的となっている。日本と欧州連合(EU)の追加関税がそれぞれ15%に引き下げられたことで、カナダやメキシコ、韓国なども関税は低めに設定されるとの見方強まった。また、トランプ米大統領は28日、個別交渉していない国に対する関税率は15〜20%の範囲になるだろうと述べている。世界貿易の停滞に対する過度な警戒感もやや薄らいだ。なお、米中は閣僚級の貿易協議を28日に開始。予定通り29日も交渉が継続される。
28日の米株市場は、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数が前営業日比で0.01%上昇し、小幅ながら6日連続で史上最高値を更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と4日続伸し、連日で最高値を切り上げている。ただ、主要指標のNYダウは0.1%安と反落した。EUなどとの貿易合意は引き続き支えとなったが、今週はハイテク大手の決算発表が集中するほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)が29〜30日まで開かれ、7月の米雇用統計が8月1日に公表されることが重しとなっている。結果を見極めたいとするムードが広がった。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%安と3日続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が3.5%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が2.3%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が1.8%安と下げが目立った。
内部環境はやや不透明。中国景気の先行き不安がくすぶっている。27日に報告された工業企業利益は、1〜6月が前年同期比1.8%減となり1〜5月の1.1%減から減少幅が拡大した。6月単月では前年同月比4.3%減と、5月の9.1%減から減少幅が縮小したが、依然としてマイナスが続いている。価格競争の激化などで、生産者物価が下落していることが一因と分析された。31日に国家統計局などによる7月の製造業PMIと非製造業PMIが公表されることも気がかり。最新の市場コンセンサスでは、製造業PMIが6月の49.7と同水準、非製造業PMIは6月の50.5から50.3にやや低下する見通しだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開となろう。中国の景気動向や米国の金融動向に加え、米中協議の結果を見極めたいとするスタンスが買い手控え要因として意識されよう。
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