2025/08/18 09:04
神経質な値動きか、好悪材料が交錯 
◆週明け18日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はややネガティブ。「トランプ関税」の警戒感が続いている。トランプ米大統領は15日、今後2週間以内に、分野別関税の半導体分を設定すると発言し、当初示していた100%を上回る「200%か300%」の水準に設定する可能性を示唆した。米長期債利回りの上昇基調も不安材料。米関税政策が物価上昇圧力を高めるとの見方が強まる中、15日の米債券市場では、長期金利の指標となる米10年債利回りの上昇が続いている(債券価格は続落)。
15日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウが前日比0.1%高と反発する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%安と続落している。好材料の出た銘柄が買われダウ平均を支えたが、半導体株などの下げが全体相場の足かせとなった。医療保険大手のユナイテッドヘルス・グループが12.0%高と急伸。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが同社株を新規に取得したことが判明し、投資家の注目を集めた。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%高と反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が8.1%高、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が4.3%高、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が2.4%高と上げが目立った。蔚来汽車は電動SUV「ES8」の新型モデルを8月21日に発表することを明らかにし、材料視されている。
内部環境は好材料と悪材料が交錯。中国の政策に対する期待感が高まっていることはプラスだ。中国経済の減速を受け、当局は追加の景気対策を打ち出すとの観測が改めて広がっている。また、中国人民銀行(中央銀行)は15日、四半期金融政策報告書を公表。ハイテクと消費分野の成長支援を強化することが示された。15日に報告された経済指標では、7月の小売売上高や鉱工業生産、1〜7月の固定資産投資などが予想以上に前回から伸びが縮小。1〜7月の不動産開発投資は12.0%減と、下げが加速している(1〜6月は11.2%減)。
一方、企業業績の動向は気がかり。香港上場企業の中間決算報告が本格化している。きょう18日は中国生物製薬(1177/HK)や翰森製薬集団(3692/HK)、あす19日は小米集団(1810/HK)や薬明生物技術(2269/HK)、舜宇光学科技(2382/HK)、小鵬汽車(9868/HK)、江西金力永磁科技(6680/HK)、龍源電力集団(916/HK)、華潤ビールHD(291/HK)、20日は香港交易所(388/HK)や百度集団(9888/HK)、金山軟件(3888/HK)、恒基兆業地産(12/HK)、香港中華煤気(3/HK)、永利澳門(1128/HK)などだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の政策に対する期待感は支えとなりそうだが、米長期金利の上昇基調が重しとなるほか、企業決算の動向を見極めたいとするスタンスも買い手控えにつながろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はややネガティブ。「トランプ関税」の警戒感が続いている。トランプ米大統領は15日、今後2週間以内に、分野別関税の半導体分を設定すると発言し、当初示していた100%を上回る「200%か300%」の水準に設定する可能性を示唆した。米長期債利回りの上昇基調も不安材料。米関税政策が物価上昇圧力を高めるとの見方が強まる中、15日の米債券市場では、長期金利の指標となる米10年債利回りの上昇が続いている(債券価格は続落)。
15日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウが前日比0.1%高と反発する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%安と続落している。好材料の出た銘柄が買われダウ平均を支えたが、半導体株などの下げが全体相場の足かせとなった。医療保険大手のユナイテッドヘルス・グループが12.0%高と急伸。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが同社株を新規に取得したことが判明し、投資家の注目を集めた。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%高と反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が8.1%高、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が4.3%高、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が2.4%高と上げが目立った。蔚来汽車は電動SUV「ES8」の新型モデルを8月21日に発表することを明らかにし、材料視されている。
内部環境は好材料と悪材料が交錯。中国の政策に対する期待感が高まっていることはプラスだ。中国経済の減速を受け、当局は追加の景気対策を打ち出すとの観測が改めて広がっている。また、中国人民銀行(中央銀行)は15日、四半期金融政策報告書を公表。ハイテクと消費分野の成長支援を強化することが示された。15日に報告された経済指標では、7月の小売売上高や鉱工業生産、1〜7月の固定資産投資などが予想以上に前回から伸びが縮小。1〜7月の不動産開発投資は12.0%減と、下げが加速している(1〜6月は11.2%減)。
一方、企業業績の動向は気がかり。香港上場企業の中間決算報告が本格化している。きょう18日は中国生物製薬(1177/HK)や翰森製薬集団(3692/HK)、あす19日は小米集団(1810/HK)や薬明生物技術(2269/HK)、舜宇光学科技(2382/HK)、小鵬汽車(9868/HK)、江西金力永磁科技(6680/HK)、龍源電力集団(916/HK)、華潤ビールHD(291/HK)、20日は香港交易所(388/HK)や百度集団(9888/HK)、金山軟件(3888/HK)、恒基兆業地産(12/HK)、香港中華煤気(3/HK)、永利澳門(1128/HK)などだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の政策に対する期待感は支えとなりそうだが、米長期金利の上昇基調が重しとなるほか、企業決算の動向を見極めたいとするスタンスも買い手控えにつながろう。
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