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2025/06/25 08:44

買い継続か、原油相場が安定 無料記事

◆25日の香港マーケットは、原油相場の安定で買いが継続する展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。高騰していた原油相場が落ち着きを取り戻し、資源インフレによる経済圧迫懸念が薄らいだ。トランプ米大統領は23日夜(日本時間24日朝)、イランとイスラエルが停戦で合意したと自身のSNSに投稿。その後もイスラエルはイランが合意を破ったと主張し攻撃を続けたが、トランプ氏の強い要請で攻撃は終了した。中東地域の地政学リスクが低下し、24日のWTI原油先物は前日比6.0%安と大幅続落(前日は7.2%安)。イラン国会がホルムズ海峡封鎖を決議した22日には約5カ月ぶりの高値を付けていたが、イスラエルがイランに攻撃を開始した水準に落ち着いた。
 米利下げ観測も継続。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は24日、米連邦議会下院で議会証言に臨み、金利は当面据え置くと改めて表明したが、インフレが抑制できたら早めの利下げに踏み切る可能性があるとも述べた。それより先、ウォラー理事やボウマン副議長は7月の米利下げを支持する可能性を示唆している。米債券市場では、米10年債利回りの低下が続き(債券価格は3日続伸)、5月上旬以来の低い水準を付けた。
 同日の米株市場は、主要指標のNYダウが1.2%高と3日続伸し、3月上旬以来の高値で取引を終了。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.4%高と続伸し、2月中旬以来の高値で終えた。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は3.3%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が13.2%高、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が7.1%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が5.2%高と上げが目立っている。
 一方、内部環境は中立。中国の政策に対する期待感は根強いが、具体的な動きは見られず、新規の取引材料にも乏しい状況だ。
 なお、香港市場では新規株式公開(IPO)が集中する。25日は中国生活家電メーカーの湖北香江電器(2619/HK)、中国配車サービス大手の曹操出行(2643/HK)、26日は宝飾品販売の周六福珠宝(6168/HK)、海外ブランド香水販売の穎通HD(6883/HK)、産後ケアサービスの聖貝拉(2508/HK)、30日は医薬品研究開発・製造受託企業(CRDMO)の泰徳医薬浙江(3880/HK)、ココナツ飲料世界2位のIFBH(6603/HK)、人工知能(AI)ソリューションサービスの雲知声智能科技(9678/HK)が香港メインボード上場する予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが継続しそうだ。足元の上昇で売り圧力は意識されそうだが(前日のハンセン指数は約2週ぶり、上海総合指数は約3カ月ぶりの高値)、原油相場の落ち着きが買い安心感につながろう。米長期債利回りの低下もプラス材料だ。


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