2025/08/01 09:04
上値の重い展開か、内外に不安材料 
◆1日の香港マーケットは、内外の不安材料が重しとなる展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は依然として不透明。米国の物価上昇を背景に、米利下げが後ずれするとの見方が強まっている。米商務省が7月31日発表した6月の米個人消費支出(PCE)は前年同月比で2.6%上昇し、前月の2.4%から加速。コア指数(食品とエネルギーを除く)の上昇率も2.8%と高止まりした。それぞれ予想を上回っている。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は30日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、「関税引き上げにより、一部で物価上昇の圧力が高まっている」とし、次回会合(9月)での利下げにも慎重なスタンスを示した。
また、トランプ米政権は1日、貿易相手国に対する相互関税の新税率を発動する見通しとなっている。英国や日本、欧州連合(EU)、韓国などは関税率引き下げで合意したものの、中国やインド、台湾、メキシコ、カナダなどは合意に至っていない。貿易相手国の一部には、発動に猶予期間が設けられるとみられているが、経済混乱の警戒感はくすぶっている。
7月31日の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.7%安と4日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.03%安と反落した。米利下げ期待の後退が引き続き投資家心理の重しとなっている。ただ、前日引け後にマイクロソフトとメタプラットフォームズ(フェイスブック)が予想を上回る四半期決算発表をしたことを手がかりに、ハイテク関連の一角には買いが入った。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%高と6日ぶりに反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が8.0%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が2.8%高、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が2.4%高と上げが目立った。
内部環境もネガティブ。中国の景況感が悪化している。国家統計局などによる7月の製造業PMIは49.3と市場予想(49.7)に届かず、景況判断の境目となる50を4カ月連続で下回った。非製造業PMIは予想(50.2)をやや下回る50.1で着地している。不動産不況で内需が振るわないことや、米中貿易摩擦が続いていいることも影響した。なお本日は、取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に、民間集計による7月のS&Pグローバル・中国製造業PMIが公表される予定。最新の市場コンセンサスでは、6月の50.4から50.2に低下する見通しだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。前日の下げが大きかったことで、自律反発狙いの買いが入る可能性もあるが、内外の不安材料が相場の足かせとなろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は依然として不透明。米国の物価上昇を背景に、米利下げが後ずれするとの見方が強まっている。米商務省が7月31日発表した6月の米個人消費支出(PCE)は前年同月比で2.6%上昇し、前月の2.4%から加速。コア指数(食品とエネルギーを除く)の上昇率も2.8%と高止まりした。それぞれ予想を上回っている。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は30日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、「関税引き上げにより、一部で物価上昇の圧力が高まっている」とし、次回会合(9月)での利下げにも慎重なスタンスを示した。
また、トランプ米政権は1日、貿易相手国に対する相互関税の新税率を発動する見通しとなっている。英国や日本、欧州連合(EU)、韓国などは関税率引き下げで合意したものの、中国やインド、台湾、メキシコ、カナダなどは合意に至っていない。貿易相手国の一部には、発動に猶予期間が設けられるとみられているが、経済混乱の警戒感はくすぶっている。
7月31日の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.7%安と4日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.03%安と反落した。米利下げ期待の後退が引き続き投資家心理の重しとなっている。ただ、前日引け後にマイクロソフトとメタプラットフォームズ(フェイスブック)が予想を上回る四半期決算発表をしたことを手がかりに、ハイテク関連の一角には買いが入った。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%高と6日ぶりに反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が8.0%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が2.8%高、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が2.4%高と上げが目立った。
内部環境もネガティブ。中国の景況感が悪化している。国家統計局などによる7月の製造業PMIは49.3と市場予想(49.7)に届かず、景況判断の境目となる50を4カ月連続で下回った。非製造業PMIは予想(50.2)をやや下回る50.1で着地している。不動産不況で内需が振るわないことや、米中貿易摩擦が続いていいることも影響した。なお本日は、取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に、民間集計による7月のS&Pグローバル・中国製造業PMIが公表される予定。最新の市場コンセンサスでは、6月の50.4から50.2に低下する見通しだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。前日の下げが大きかったことで、自律反発狙いの買いが入る可能性もあるが、内外の不安材料が相場の足かせとなろう。
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