2025/07/31 08:54
神経質な値動きか、中国PMIを注視 
◆31日の香港マーケットは、中国指標を気にしながら神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はややネガティブ。米金融政策を巡る不透明感が強まっている。30日まで開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り5会合連続で政策金利の据え置きが決定され、その後の会見でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、「関税引き上げにより、一部で物価上昇の圧力が高まっている」とした上で、次回会合(9月)での利下げにも慎重なスタンスを示した。また、米経済指標が改善したことも利下げ期待を後退させている。7月のADP全米雇用リポートでは、(政府部門を除く)非農業部門の雇用者数が予想以上に増加し、4〜6月期の米GDP(速報値)は年率換算で前期比3.0%増となり、前四半期の0.5%減からプラスに転じた。30日の米債券市場では、長期金利の指標となる10年債利回りが上昇している(債券価格は反落)。
30日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウが前日比0.4%安と3日続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%安と反発した。米利下げ期待の後退が重しとなる半面、人工知能(AI)投資の拡大予測を背景に、半導体関連の銘柄は物色され相場を下支えしている。なお、引け後にマイクロソフトとメタプラットフォームズ(フェイスブック)が予想を上回る四半期決算発表し、両社の株価は急伸。ナスダック先物は上昇している。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.8%安と5日続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が5.1%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が4.3%安、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が3.4%安と下げが目立った。新東方教育科技については、四半期決算の74%減益が嫌気されている。
一方、内部的には中国指標の発表が気がかり。きょう31日には、国家統計局などによる7月の製造業PMIと非製造業PMIが公表される。最新の市場コンセンサスでは、製造業PMIが6月の49.7と同水準、非製造業PMIは6月の50.5から50.3にやや低下する見通しだ。
前日に開催された中国共産党の中央政治局会議では、多くのリスクに直面している国内経済を下半期に支援する方針が示されている。また、10月に中央委員会第4回総会(4中総会)を開き、第15次5カ年計画(2026〜30年)を策定すると発表した。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米ハイテク株高は支えになりそうだが、中国PMIの結果が相場の波乱要因となる可能性もある。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はややネガティブ。米金融政策を巡る不透明感が強まっている。30日まで開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り5会合連続で政策金利の据え置きが決定され、その後の会見でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、「関税引き上げにより、一部で物価上昇の圧力が高まっている」とした上で、次回会合(9月)での利下げにも慎重なスタンスを示した。また、米経済指標が改善したことも利下げ期待を後退させている。7月のADP全米雇用リポートでは、(政府部門を除く)非農業部門の雇用者数が予想以上に増加し、4〜6月期の米GDP(速報値)は年率換算で前期比3.0%増となり、前四半期の0.5%減からプラスに転じた。30日の米債券市場では、長期金利の指標となる10年債利回りが上昇している(債券価格は反落)。
30日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウが前日比0.4%安と3日続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%安と反発した。米利下げ期待の後退が重しとなる半面、人工知能(AI)投資の拡大予測を背景に、半導体関連の銘柄は物色され相場を下支えしている。なお、引け後にマイクロソフトとメタプラットフォームズ(フェイスブック)が予想を上回る四半期決算発表し、両社の株価は急伸。ナスダック先物は上昇している。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.8%安と5日続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が5.1%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が4.3%安、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が3.4%安と下げが目立った。新東方教育科技については、四半期決算の74%減益が嫌気されている。
一方、内部的には中国指標の発表が気がかり。きょう31日には、国家統計局などによる7月の製造業PMIと非製造業PMIが公表される。最新の市場コンセンサスでは、製造業PMIが6月の49.7と同水準、非製造業PMIは6月の50.5から50.3にやや低下する見通しだ。
前日に開催された中国共産党の中央政治局会議では、多くのリスクに直面している国内経済を下半期に支援する方針が示されている。また、10月に中央委員会第4回総会(4中総会)を開き、第15次5カ年計画(2026〜30年)を策定すると発表した。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米ハイテク株高は支えになりそうだが、中国PMIの結果が相場の波乱要因となる可能性もある。
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