/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル 亜州リサーチ公式X 亜州リサーチ公式Instagram

2025/08/07 08:57

神経質な値動きか、中国貿易統計を注視 無料記事

◆7日の香港マーケットは、中国貿易統計をにらみながら神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は中立。好材料と悪材料が交錯している。米利下げ観測の高まりは好材料。このところ米金融当局者からは、早期利下げを示唆する発言が相次いでいる。米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は6日、米経済の減速を受け、米連邦準備理事会は近いうちに利下げを実施しなければならない可能性があると発言。ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁やサンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁も、早期利下げの必要性に言及した。一方、米関税政策の不透明感は依然くすぶる。トランプ米大統領は6日、ロシア産原油の輸入を問題視し、インドに25%の追加関税を課す大統領令に署名した。7日発動の国別関税とあわせ、税率は50%となる。そのほか、トランプ氏は同日、分野別関税として、半導体を含む輸入品に100%の関税を課す方針を表明した。米政府は相互関税の新たな税率を米時間7日午前0時1分(日本時間7日午後1時1分)から適用する。
 6日の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.2%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.2%高と反発した。個別ではアップルが5.0%高。米国内で1000億米ドルの追加投資をすると発表し、米国外で生産する主力商品の高関税が避けられるとの観測が広がった。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.9%高と反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が3.3%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が2.4%高、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が1.9%高と上げが目立った。
 内部的には中国指標が気がかり。きょう7日は7月の貿易統計、9日は物価統計が公表される。貿易統計に関しては、米ドル建て輸出が5.6%増(6月は5.9%増)、輸入が1.0%減(同1.1%増)で着地するとの予想がコンセンサスだ。
 そのほか、香港に上場する主要企業の決算発表も進んでいる。きょう7日は華虹半導体(1347/HK)や中芯国際集成電路製造(981/HK)が第2四半期決算、中国移動(941/HK)や理文造紙(2314/HK)、太平洋航運集団(2343/HK)、九龍倉置業地産投資(1997/HK)などが中間決算を報告する。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国貿易統計の結果に左右されそうだ。内容によっては、相場の波乱要因となる。ただ、米利下げ観測が高まっているほか、中国の政策に対する期待感などで下値は限定されよう。



内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース