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2025/06/23 08:42

売り先行か、中東情勢が悪化 無料記事

◆週明け23日の香港マーケットは、中東情勢の悪化で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。中東地域の地政学リスクが一段と高まっている。イランとイスラエルの軍事衝突が続く中、トランプ米大統領は21日、米軍がイランの核施設3カ所をバンカーバスターやトマホークなど高性能な兵器で攻撃し、「大成功」と表明した。さらに、イランが和平に応じなければ、再び攻撃すると警告している。イラン軍は22日、イスラエルにミサイルで報復攻撃するなど、終結に向けた道筋はみられない。また、イランのメディアが22日報じたところによると、イラン議会は「オイルロード」の要衝となるホルムズ海峡封鎖を承認。国家安全保障最高評議会が決定すれば、封鎖は実行に移される。週明け23日朝方、原油相場は急伸し、金相場も高く推移。米株先物は急落している。
 20日の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比0.1%高と3日ぶりに反発する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.5%安と反落。米利下げ観測が強まる半面、トランプ政権が中国に対する半導体規制を強化するとの観測がハイテク株全般の重しとなった。また、この時点の中東情勢を巡っては、英独仏の欧州3か国とイランは20日、スイスで外相会議を開き、外交的解決を目指すことで合意。トランプ米大統領はイランに対する直接的な攻撃に踏み切るかどうかは2週間内に決めるとして、交渉の余地があると示唆していた。
 一方、内部環境に目立った変化はないが、中国経済対策の期待感は続いている。20日公表された実質的な政策金利となる6月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、5月に引き下げられたばかりとあって、市場予想通りに据え置かれたが、市場関係者からは、景気下支えに向け、当局は下半期に金利や預金準備率を引き下げる可能性があるとの声も聞かれた。
 香港市場では新規株式公開(IPO)が相次ぐ。きょう23日は冷凍空調機器部品メーカーの浙江三花智能控制(2050/HK)、腫瘍医療グループの佰沢医療集団(2609/HK)、バイオ医薬の薬捷安康(南京)科技(2617/HK)、25日は中国生活家電メーカーの湖北香江電器(2619/HK)、中国配車サービス大手の曹操出行(2643/HK)、26日は宝飾品販売の周六福珠宝(6168/HK)、海外ブランド香水販売の穎通HD(6883/HK)、産後ケアサービスの聖貝拉(2508/HK)がメインボード上場する。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは苦戦を強いられそうだ。中東情勢の悪化が投資家心理を冷やしそうだ。また、ホルムズ海峡封鎖で原油相場が高騰すれば、世界経済が混乱する恐れもある。




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