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2025/11/26 08:58

上値の重い展開か、中国発の新規材料に乏しく 無料記事

◆26日の香港マーケットは、中国発の新規材料に乏しい中で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。米追加利下げの観測が広がっている。米連邦準備理事会(FRB)の高官が相次ぎ、雇用を安定化させるため、緩和的な政策を進める必要性に言及。25日発表されたADP全米雇用リポートでは、8日までの4週間で雇用者数が週平均1万3500人減ったことが明らかにされた。米金利先物市場の値動きから算出するCMEフェドウオッチ(政策金利が変更される確率)によると、12月のFOMCで0.25%利下げする確率は80%を超えている。
 25日の米株市場は、NYダウが前日比1.4%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%高とそろって3日続伸した。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は18.56と、前日比で9.55%(1.96ポイント)低下。節目の20を下回るのは今月14日以来だ。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.4%高と3日続伸している。主要な香港との重複上場銘柄では、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が11.0%高、小馬智行(ポニーAI::PONY/NASDAQ、2026/HK)が5.9%高、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が3.3%高と上げが目立った。ライダー(LiDAR)世界大手の禾賽科技については、自社開発した最新のLiDAR向け高性能制御チップ「RISC-V LiDAR Chip FMC500」を公開し、材料視されている。
 内部環境も悪くない。香港メディアが25日報じたところによると、格付け会社のS&Pグローバル・レーティングは最新リポートで、26年の中国GDP(国内総生産)成長率予想を4.0→4.4%に0.4ポイント上方修正した。内需の低迷などはあるものの、米国による対中関税の引き下げが追い風になるとS&Pは予想している。米中関係を巡っては、トランプ米大統領と中国の習近平国家・主席は24日に電話会談し、双方がお互いの国を訪問することで合意したなどと伝わった。
 一方、中国では27日に10月の工業企業利益、30日に11月の製造業PMIと非製造業PMIが公表される予定。製造業PMIについては、前月の49.0から49.2にやや上向くとの予想だが、依然として景況判断の50を下回ることとなる。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米追加利下げの期待感で買いが継続しそうだが、中国発の新規材料にも乏しく、経済指標の発表を前に買いが手控えられる可能性もある。なお、電子商取引(EC)世界大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が昨日引け後に報告した中間決算は5.9%減益。同社のADRは昨夜の米市場で2.3%安と軟調だった。全体相場に対する影響も警戒される。


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