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2025/11/24 09:07

買い先行か、米追加利下げ観測が追い風に 無料記事

◆週明け24日の香港マーケットは、米利下げ期待の高まりで買い戻しが入る展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。米追加利下げの期待感が再び高まっている。米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が21日の講演で、インフレの上振れリスクは和らいでいるため連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を緩和気味にする余地はあるとの認識を示した。市場では、FRBが12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを決定するとの見方が広がっている。米金利先物市場の値動きから算出するCMEフェドウオッチ(政策金利が変更される確率)によると、12月のFOMCで0.25%利下げする確率は総裁発言前の約35%から約70%に急上昇した。
 21日の米株市場では、米追加利下げの期待感で主要指標のNYダウが前日比1.1%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.9%高とそろって反発している。前日は9月の米雇用統計がまちまちの内容となり、12月利下げの期待はそれほど高まらなかったが、NY連銀総裁の発言で一転した。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.2%高と3日ぶりに反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が3.3%高、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が2.7%高、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が2.7%高と上げが目立った。
 内部環境もそれほど悪くない。人工知能(AI)産業の巨額投資やEV(電気自動車)の販売鈍化などに対する警戒感はくすぶるものの、中国経済対策の期待感は高まっている。直近では、中国当局が不動産市場を支えるため、一連の政策パッケージを策定中とも伝わった。また、2026年の経済政策を決める中央経済工作会議は12月中旬ごろに開催される見通し。金融関係者からは、会議を経て、26年1月にも預金準備率や政策金利を引き下げる可能性があると指摘された。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買い先行か。米追加利下げ観測がプラス材料だ。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の低下も期待されるほか、中国本土でも米中金利差を背景とした緩和余地が広がるとみられている。また、先週の相場では、ハンセン指数が約2カ月半ぶり、上海総合指数が約2カ月ぶりの安値を付けたとあって、自律反発狙いの買いも入りやすいだろう。


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