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2025/11/20 08:50 NEW!!

しっかりか、エヌビディアの好決算が追い風に 無料記事

◆20日の香港マーケットは、エヌビディアの好決算を材料にしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には好材料がある。半導体世界大手エヌビディアの決算上振れで、人工知能(AI)産業の過剰投資に対する懸念や、関連銘柄の割高感が薄らいだ。今年のAIブームを主導したエヌビディアが19日(日本時間20日早朝)に公表した8〜10月期決算は売上高と利益が市場予想を上回り、四半期ベースで過去最高を更新。また、25年11月〜26年1月期の売上高見通しも予想を上回った。19日の米株マーケット終了後、時間外取引でエヌビディア株は大幅上昇。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やブロードコムなど他の半導体関連にも買いが波及している。
 ただ、米追加利下げの期待が後退したことはマイナス。米連邦準備理事会(FRB)が19日公開した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(10月開催分)によると、大半のメンバーが次回会合(12月)での金利据え置きが適切と判断していたことが判明した。米金利先物市場の値動きから算出するCMEフェドウオッチ(政策金利が変更される確率)によると、19日時点で12月のFOMCで0.25%利下げする確率は約33%に低下している(18日は約50%)。
 19日の米株市場は、エヌビディアの決算を引け後に控える中で買い戻しが優勢。主要指標のNYダウが0.1%高と5日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%高と3日ぶりに反発した。半面、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.5%安と反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が8.5%安、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が6.5%安、小馬智行(ポニーAI::PONY/NASDAQ、2026/HK)が4.2%安と下げが目立った。
 内部環境は中立。先週までにほぼ出揃った中国の月次経済統計は、内需の弱さを改めて浮き彫りにする内容だった。中国経済の鈍化懸念がくすぶる一方、景気刺激策の期待感は高まっている。中国では12月中旬以降に、2026年の経済政策を決める中央経済工作会議が開催される見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。エヌビディアの好決算と強気な売上高見通しを受け、ハイテク株全般に買い安心感が広がりそうだ。
 なお、中国では取引時間前(日本時間10時ごろ)に実質的な政策金利となる11月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が公表される。市場コンセンサスでは銀行貸出の指標となる1年物LPRが3.00%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRが3.50%と6カ月連続で据え置かれる見通しだ。


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