2025/12/03 09:01 NEW!!
神経質な値動きか、中国発の新規材料に乏しく 
◆3日の香港マーケットは、中国発の新規材料に乏しい中で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は安定的。世界経済の減速懸念がやや薄らいでいる。経済協力開発機構(OECD)が2日公表した最新の経済見通しでは、世界の2025年経済成長率予想を3.2%と9月時点から据え置く一方、一部主要国・地域については上方修正した。うち、米国経済の25年成長率を従前の1.8%から2.0%に、中国経済の25年成長率を4.9%から5.0%に引き上げている。
米株マーケットもひとまず落ち着いた。2日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.4%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%高とそろって反発。急落していたビットコインなど暗号資産(仮想通貨)の下落が一服し、投資家のリスク選好スタンスがやや回復した。米追加利下げの期待感も改めて支えとなっている。米金利先物市場の値動きから算出するCMEフェドウオッチ(政策金利が変更される確率)では、12月のFOMCで0.25%利下げする確率が2日時点で89%を超えた。個別では、データベースのモンゴDBが22.2%高。8〜10月期決算の売上高が予想を上回ったほか、26年1月通期決算の売上高見通しを上方修正した。人工知能(AI)産業の拡大が改めて意識されている。
一方、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%安と3日ぶりに反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が3.0%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が2.7%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が2.4%安と下げが目立った。
内部環境は中立。新規の取引材料を欠く中、景気不安と政策期待の綱引きが続いている。官民で公表された11月の中国製造業PMIはそれぞれ景況判断の境目となる50を割り込み、内需の弱さを顕在化させる内容だった。一方、中国では2026年の経済政策を決める中央経済工作会議が今月中旬ごろに開催される見通し。市場では、内需を刺激する政策が打ち出されるほか、利下げも1月以降に実施されるとの観測が広がっている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国発の目新しい材料に乏しく、投資家が積極的な売買を手控えている。ただ、米追加利下げの期待感や、人民元相場の先高観などが強まっていることもあり、下値を叩くような売りも出ないだろう。
なお、本日の取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に民間が集計する11月のRatingDog中国サービス業PMIが報告される。前月の52.6から52.1に低下するとの予想がコンセンサスだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は安定的。世界経済の減速懸念がやや薄らいでいる。経済協力開発機構(OECD)が2日公表した最新の経済見通しでは、世界の2025年経済成長率予想を3.2%と9月時点から据え置く一方、一部主要国・地域については上方修正した。うち、米国経済の25年成長率を従前の1.8%から2.0%に、中国経済の25年成長率を4.9%から5.0%に引き上げている。
米株マーケットもひとまず落ち着いた。2日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.4%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%高とそろって反発。急落していたビットコインなど暗号資産(仮想通貨)の下落が一服し、投資家のリスク選好スタンスがやや回復した。米追加利下げの期待感も改めて支えとなっている。米金利先物市場の値動きから算出するCMEフェドウオッチ(政策金利が変更される確率)では、12月のFOMCで0.25%利下げする確率が2日時点で89%を超えた。個別では、データベースのモンゴDBが22.2%高。8〜10月期決算の売上高が予想を上回ったほか、26年1月通期決算の売上高見通しを上方修正した。人工知能(AI)産業の拡大が改めて意識されている。
一方、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%安と3日ぶりに反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が3.0%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が2.7%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が2.4%安と下げが目立った。
内部環境は中立。新規の取引材料を欠く中、景気不安と政策期待の綱引きが続いている。官民で公表された11月の中国製造業PMIはそれぞれ景況判断の境目となる50を割り込み、内需の弱さを顕在化させる内容だった。一方、中国では2026年の経済政策を決める中央経済工作会議が今月中旬ごろに開催される見通し。市場では、内需を刺激する政策が打ち出されるほか、利下げも1月以降に実施されるとの観測が広がっている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国発の目新しい材料に乏しく、投資家が積極的な売買を手控えている。ただ、米追加利下げの期待感や、人民元相場の先高観などが強まっていることもあり、下値を叩くような売りも出ないだろう。
なお、本日の取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に民間が集計する11月のRatingDog中国サービス業PMIが報告される。前月の52.6から52.1に低下するとの予想がコンセンサスだ。
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