2020/06/17 09:06
方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる
◆17日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で方向感を欠く展開か。
外部環境は安定的。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比2.0%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.8%高とそろって3日続伸した。経済回復の期待が改めて盛り上がる。朝方公表された5月の米小売売上高は前月比17.7%増。増加率は市場予想(7.7%増)を大幅に上回り、過去最大を記録している。また、「トランプ政権は景気テコ入れ策として、1兆米ドルのインフラ整備支出を検討している」と報じられたことも投資家心理を強気にさせた。各国中銀の金融支援スタンスもプラス。米連邦準備委員会(FRB)が個別企業の社債購入を開始することなどを発表したのに続き、日本銀行(中央銀行)は16日、「新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム(特別プログラム)」について、大幅に拡大することを明らかにした。また、イングランド銀行(中央銀行)が18日に開く金融政策委員会では、資産買い入れ枠が大幅に上積みされる見通しとなっている。
ただ、アジア地域の地政学リスクには注意したい。北朝鮮は日本時間16日午後、韓国の脱北団体が金正恩委員長を批判するビラを飛ばしたことに強く反発し、南北の共同連絡事務所を爆破した。軍事的措置も示唆している。また、インド軍は16日、ヒマラヤに位置する中国との係争地で両軍が衝突し、インド人兵士が少なくとも20人死亡したと公表した。
一方、16日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が1.4%高と5日ぶりに反発。米中関係の改善期待が高まった。米メディアは15日、「ポンペオ米国務長官が中国当局者と17日にハワイで会談する方向で調整している」と関係者の話として報道。香港英字紙は15日夜、中国側は楊潔・共産党政治局員が出席すると伝えた。このほか、米商務省は15日、米国企業が通信設備メーカー中国最大手の華為技術(ファーウェイ)との取引禁止ルールを変更し、5Gなどの基準作りで米企業と華為が協力することを認めると発表している。また、米国や日本の金融当局が緩和スタンスを強めるなか、中国でも同様に、緩和の動きが加速すると期待された。
こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。世界各国で歴史的な金融緩和の動きが進んでいることはプラスとなるものの、新型コロナ感染拡大「第2波」の警戒感も根強い。また、上述したように、アジア地域で地政学リスクが浮上しつつあることも気がかり材料だ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は安定的。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比2.0%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.8%高とそろって3日続伸した。経済回復の期待が改めて盛り上がる。朝方公表された5月の米小売売上高は前月比17.7%増。増加率は市場予想(7.7%増)を大幅に上回り、過去最大を記録している。また、「トランプ政権は景気テコ入れ策として、1兆米ドルのインフラ整備支出を検討している」と報じられたことも投資家心理を強気にさせた。各国中銀の金融支援スタンスもプラス。米連邦準備委員会(FRB)が個別企業の社債購入を開始することなどを発表したのに続き、日本銀行(中央銀行)は16日、「新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム(特別プログラム)」について、大幅に拡大することを明らかにした。また、イングランド銀行(中央銀行)が18日に開く金融政策委員会では、資産買い入れ枠が大幅に上積みされる見通しとなっている。
ただ、アジア地域の地政学リスクには注意したい。北朝鮮は日本時間16日午後、韓国の脱北団体が金正恩委員長を批判するビラを飛ばしたことに強く反発し、南北の共同連絡事務所を爆破した。軍事的措置も示唆している。また、インド軍は16日、ヒマラヤに位置する中国との係争地で両軍が衝突し、インド人兵士が少なくとも20人死亡したと公表した。
一方、16日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が1.4%高と5日ぶりに反発。米中関係の改善期待が高まった。米メディアは15日、「ポンペオ米国務長官が中国当局者と17日にハワイで会談する方向で調整している」と関係者の話として報道。香港英字紙は15日夜、中国側は楊潔・共産党政治局員が出席すると伝えた。このほか、米商務省は15日、米国企業が通信設備メーカー中国最大手の華為技術(ファーウェイ)との取引禁止ルールを変更し、5Gなどの基準作りで米企業と華為が協力することを認めると発表している。また、米国や日本の金融当局が緩和スタンスを強めるなか、中国でも同様に、緩和の動きが加速すると期待された。
こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。世界各国で歴史的な金融緩和の動きが進んでいることはプラスとなるものの、新型コロナ感染拡大「第2波」の警戒感も根強い。また、上述したように、アジア地域で地政学リスクが浮上しつつあることも気がかり材料だ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。