2025/07/16 08:47
しっかりか、米ナスダック指数は連日最高値 
◆16日の香港マーケットは、米ハイテク株高を支えにしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は中立。好材料と悪材料が交錯している。トランプ米政権が対中圧力を緩和していることはプラスだ。半導体大手のエヌビディアは14日、中国向けに設計した人工知能(AI)向けの半導体「H20」の出荷を再開すると発表。H20はこれまで輸出規制の対象だったが、米政府が方針を撤回した。同業のアドバンスト・マイクロ・デバイスも15日、中国向けAI半導体の出荷再開を計画していると発表している。ラトニック米商務長官は15日、H20の販売再開は、中国とのレアアースを巡る交渉の一環だったと説明。また、ベッセント米財務長官は貿易問題を巡る米中協議は「非常に良好な状況」だと述べ、H20の対中輸出再開は米政権が中国に提示した譲歩の一部だと明らかにした。
一方、米利下げ期待の後退はマイナス。米労働省が15日公表した6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、2カ月連続で伸び率が拡大した。また、7月のNY連銀製造業指数は予想外に拡大し、5カ月ぶりのプラスとなっている。米連邦準備理事会(FRB)は利下げを急がないとの見方が広がった。米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き(債券価格は4日続落)、一時、約1カ月ぶりの高い水準を付けている。
15日の米株市場は方向感を欠く。主要指標のNYダウが前日比1.0%安と反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.2%高と続伸し、連日で史上最高値を更新した。米長期金利の上昇が主力株の重しとなる半面、好材料の出た半導体株に買いが入り相場を下支えしている。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.8%高と続伸している。主要な香港との重複上場銘柄では、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が18.7%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が8.7%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が8.1%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が7.8%高と上げが目立った。
内部環境はやや不透明。中国景気の鈍化懸念がくすぶっている。15日発表の中国経済指標は総じて弱い内容だった。今年4〜6月期GDP成長率に関しては、実質ベースで前年同期比5.2%となり、前四半期(1〜3月)の5.4%から伸びが縮小。6月の小売売上高と1〜6月の固定資産投資は市場予想を下振れ、1〜6月の不動産開発投資は落ち込みが拡大した。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは、米ハイテク株高の流れを継いでしっかりとした展開になろう。米中が貿易問題で歩み寄りをみせる中、両国関係の改善期待も相場の支えだ。中国の景気懸念がくすぶっていることは重しだが、当局は経済対策を強めるとの期待も広がっている。ただ、指数はこのところの上昇で売り圧力も高まっているだけに(前日はハンセン指数が約4カ月ぶりの高値)、上値は限定されそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は中立。好材料と悪材料が交錯している。トランプ米政権が対中圧力を緩和していることはプラスだ。半導体大手のエヌビディアは14日、中国向けに設計した人工知能(AI)向けの半導体「H20」の出荷を再開すると発表。H20はこれまで輸出規制の対象だったが、米政府が方針を撤回した。同業のアドバンスト・マイクロ・デバイスも15日、中国向けAI半導体の出荷再開を計画していると発表している。ラトニック米商務長官は15日、H20の販売再開は、中国とのレアアースを巡る交渉の一環だったと説明。また、ベッセント米財務長官は貿易問題を巡る米中協議は「非常に良好な状況」だと述べ、H20の対中輸出再開は米政権が中国に提示した譲歩の一部だと明らかにした。
一方、米利下げ期待の後退はマイナス。米労働省が15日公表した6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、2カ月連続で伸び率が拡大した。また、7月のNY連銀製造業指数は予想外に拡大し、5カ月ぶりのプラスとなっている。米連邦準備理事会(FRB)は利下げを急がないとの見方が広がった。米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き(債券価格は4日続落)、一時、約1カ月ぶりの高い水準を付けている。
15日の米株市場は方向感を欠く。主要指標のNYダウが前日比1.0%安と反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.2%高と続伸し、連日で史上最高値を更新した。米長期金利の上昇が主力株の重しとなる半面、好材料の出た半導体株に買いが入り相場を下支えしている。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.8%高と続伸している。主要な香港との重複上場銘柄では、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が18.7%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が8.7%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が8.1%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が7.8%高と上げが目立った。
内部環境はやや不透明。中国景気の鈍化懸念がくすぶっている。15日発表の中国経済指標は総じて弱い内容だった。今年4〜6月期GDP成長率に関しては、実質ベースで前年同期比5.2%となり、前四半期(1〜3月)の5.4%から伸びが縮小。6月の小売売上高と1〜6月の固定資産投資は市場予想を下振れ、1〜6月の不動産開発投資は落ち込みが拡大した。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは、米ハイテク株高の流れを継いでしっかりとした展開になろう。米中が貿易問題で歩み寄りをみせる中、両国関係の改善期待も相場の支えだ。中国の景気懸念がくすぶっていることは重しだが、当局は経済対策を強めるとの期待も広がっている。ただ、指数はこのところの上昇で売り圧力も高まっているだけに(前日はハンセン指数が約4カ月ぶりの高値)、上値は限定されそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。