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2025/07/10 08:50 NEW!!

下値の堅い展開か、米ハイテク株高が支えに 無料記事

◆10日の香港マーケットは、米ハイテク株高を支えに下値の堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はそれほど悪くない。「トランプ関税」の警戒感は依然として続いているが、米ハイテク株高がポジティブ材料だ。9日の米株市場は、半導体大手のエヌビディアがけん引する展開。主要指標のNYダウが前日比0.5%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.9%高と続伸した。ナスダック指数は3日ぶりに史上最高値を更新している。エヌビディア株は1.8%上昇し、上場来高値を更新。一時2.8%高の164.42米ドルを記録し、世界で初めて時価総額が4兆米ドルを突破した(終値ベースでの時価総額は3兆9700億米ドル)。人工知能(AI)産業の拡大を背景に、半導体需要も高まると分析されている。英メディアが9日、「中国向けに設計した新しい半導体を早ければ9月にも投入する計画」と報じたことも材料視された。
 米長期金利の上昇一服もプラス。米債券市場では、米10年債利回りが前日の4.4%台から4.3%台に低下(債券価格は6日ぶりに反発)。米財務省が実施した10年債入札が堅調だったと伝わり、「米資産売り」の不安もやや薄らいだ。米関税政策を巡っては、トランプ米大統領が新たな関税率を通知する書簡を追加で8カ国に送付。一時停止の期限が8月1日に延長された。交渉は難航するとの見方もくすぶっているが、マーケットに対する影響は限定されている。
 半面、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.1%安と6日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が4.3%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が3.9%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が3.5%安と下げが目立っている。
 一方、内部的には政策期待が持続。国務院(内閣に相当)は9日、雇用下支えのため、社会保険補助の拡大や、若年失業者への支援など新たな施策を発表した。そのほか当局は、消費拡大やデフレ対策にも注力している。
 なお、中国では週明け14日に貿易統計、15日に小売売上高や鉱工業生産、4〜6月期の実質GDP成長率、15日までに金融統計が報告される予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の堅い展開か。「トランプ関税」の警戒感が依然としてくすぶっているほか、中国指標の発表などが気がかり材料として意識されるものの、米ハイテク株高や米長期金利低下が相場を下支えしよう。


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