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2025/07/02 08:53 NEW!!

下値の堅い展開か、米中の景気懸念が後退 無料記事

◆休場明け2日の香港マーケットは、米中の景気懸念後退で下値の堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。米経済の過度な先行き不安が後退した。米サプライマネジメント協会(ISM)が公表した6月の製造業景況感指数(PMI)は49.0となり、5月の48.5から上昇。景況判断の境目となる50は引き続き割り込んだが、徐々に改善すると期待されている。また5月の雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数が縮小予想に反し、前回から増加。労働市場が堅調だったことを受け、米景気減速の懸念も薄らいだ。
 一方、1日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウは前日比0.9%高と4日続伸し、2月中旬以来の高値水準を回復したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.8%安と7日ぶりに反落している。ナスダック指数は前日まで連日で史上最高値を更新していたこともあり、相場の過熱感も意識された。
 中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.2%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が2.2%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が2.1%高と上げが目立っている。
 内部環境もそれほど悪くない。中国経済の持ち直し期待が強まっている。1日公表された民間集計による6月の財新・中国製造業PMIに関しては、市場予想(49.0)を上回る50.4に上昇した。節目の50を2カ月ぶりに上回り、景況感が改善している。また、マカオ政府は1日、6月の域内カジノ売上高が前年同月比で19.0%増加し、5カ月連続でプラス成長したことを明らかにした。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の堅い展開か。米中の景気懸念が後退したことを好感しよう。ただ、米国と各国・地域の貿易交渉を巡り、米関税一時停止措置の期限が9日に迫っていることは不安材料だ。状況によっては、世界経済が混乱する恐れもある。中国商務部は6月28日夜、対米貿易交渉を進める各国に対し「関税交渉の取引材料として中国の利益を犠牲にすることに断固として反対する」との報道官談話を発表した。


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