2025/06/26 08:53
上値の重い展開か、売り圧力を意識 
◆26日の香港マーケットは、売り圧力意識で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。中東情勢の緊迫化懸念はひとまず後退したが、混乱が完全に収束するかは見通せない状況だ。トランプ米大統領は25日、核問題を念頭に、イランと来週協議すると述べている。米金融政策の動向も気がかり。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は25日、米連邦議会上院で議会証言に臨み、利下げを急ぐ必要性はないと改めて表明した。ただ、複数のFRB高官が7月利下げの可能性を示唆している。米債券市場では、米10年債利回りがほぼ横ばいだった。
25日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.2%安と4日ぶりに反落。イランとイスラエルの停戦合意を手がかりに、足元で大幅上昇していたため、相場の過熱感が意識された。半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と3日続伸し、2月中旬以来の高値を連日で切り上げている。個別では半導体大手のエヌビディアが4.3%上昇し、上場来高値を更新した。AI(人工知能)の普及が業績に寄与すると分析されている。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.6%安と3日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が3.3%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が2.1%安、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が2.0%安と下げが目立っている。
一方、内部環境は悪くない。中国当局は景気支援のスタンスを強めている。中国人民銀行(中央銀行)、国家発展改革委員会、財政部など6部門は24日、「消費の振興と拡大を金融で支援するための指導意見」を発表。金融支援で消費を刺激すると強調した。また、25日開幕した世界経済フォーラム(WEF)の夏季ダボス会議で中国の李強・首相が演説し、米高関税の圧力を受けた4〜6月期でも中国経済は良好だったと説明。そのうえで、中国は消費主導型経済への転換を図り、超大型の消費市場を構築すると述べた。
なお、香港市場では新規株式公開(IPO)が集中。きょう26日は宝飾品販売の周六福珠宝(6168/HK)、海外ブランド香水販売の穎通HD(6883/HK)、産後ケアサービスの聖貝拉(2508/HK)、30日は医薬品研究開発・製造受託企業(CRDMO)の泰徳医薬浙江(3880/HK)、ココナツ飲料世界2位のIFBH(6603/HK)、人工知能(AI)ソリューションサービスの雲知声智能科技(9678/HK)が香港メインボード上場する予定だ。
そのほか、中国の経済指標に関しては、あす27日に5月の工業企業利益、30日に6月の製造業PMIと非製造業PMI(国家統計局による)が公表される。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の消費支援スタンスなどは引き続き材料視されそうだが、このところの上昇で売り圧力も高まっている(前日のハンセン指数は約3カ月ぶり、上海総合指数は約6カ月半ぶりの高値)。中国指標の発表を前に様子見ムードが漂う可能性もあろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。中東情勢の緊迫化懸念はひとまず後退したが、混乱が完全に収束するかは見通せない状況だ。トランプ米大統領は25日、核問題を念頭に、イランと来週協議すると述べている。米金融政策の動向も気がかり。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は25日、米連邦議会上院で議会証言に臨み、利下げを急ぐ必要性はないと改めて表明した。ただ、複数のFRB高官が7月利下げの可能性を示唆している。米債券市場では、米10年債利回りがほぼ横ばいだった。
25日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.2%安と4日ぶりに反落。イランとイスラエルの停戦合意を手がかりに、足元で大幅上昇していたため、相場の過熱感が意識された。半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と3日続伸し、2月中旬以来の高値を連日で切り上げている。個別では半導体大手のエヌビディアが4.3%上昇し、上場来高値を更新した。AI(人工知能)の普及が業績に寄与すると分析されている。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.6%安と3日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が3.3%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が2.1%安、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が2.0%安と下げが目立っている。
一方、内部環境は悪くない。中国当局は景気支援のスタンスを強めている。中国人民銀行(中央銀行)、国家発展改革委員会、財政部など6部門は24日、「消費の振興と拡大を金融で支援するための指導意見」を発表。金融支援で消費を刺激すると強調した。また、25日開幕した世界経済フォーラム(WEF)の夏季ダボス会議で中国の李強・首相が演説し、米高関税の圧力を受けた4〜6月期でも中国経済は良好だったと説明。そのうえで、中国は消費主導型経済への転換を図り、超大型の消費市場を構築すると述べた。
なお、香港市場では新規株式公開(IPO)が集中。きょう26日は宝飾品販売の周六福珠宝(6168/HK)、海外ブランド香水販売の穎通HD(6883/HK)、産後ケアサービスの聖貝拉(2508/HK)、30日は医薬品研究開発・製造受託企業(CRDMO)の泰徳医薬浙江(3880/HK)、ココナツ飲料世界2位のIFBH(6603/HK)、人工知能(AI)ソリューションサービスの雲知声智能科技(9678/HK)が香港メインボード上場する予定だ。
そのほか、中国の経済指標に関しては、あす27日に5月の工業企業利益、30日に6月の製造業PMIと非製造業PMI(国家統計局による)が公表される。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の消費支援スタンスなどは引き続き材料視されそうだが、このところの上昇で売り圧力も高まっている(前日のハンセン指数は約3カ月ぶり、上海総合指数は約6カ月半ぶりの高値)。中国指標の発表を前に様子見ムードが漂う可能性もあろう。
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