2025/06/30 08:50
神経質な値動きか、中国PMIを注視 
◆週明け30日の香港マーケットは、中国指標をにらみながら神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境には好材料がある。中でも米株高がプラスだ。27日の米株市場では、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数が前日比で0.5%上昇し、2月19日に付けた史上最高値を更新。主要指標のNYダウは1.0%高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.5%高と5日続伸した(ナスダック指数は最高値更新)。インフレ圧力の鈍化で、米連邦準備理事会(FRB)が年内利下げするとの期待が一段と高まっている。米ミシガン大学が公表した6月の消費者態度指数(確報値)では、1年先の期待インフレ率が前月を大幅に下回った。商務省が発表した2月の米個人消費支出(PCE)コア指数(食品とエネルギーを除く)は予想をやや上回る一方、個人消費支出は予想外のマイナスに落ち込んでいる。また、トランプ米大統領は27日、パウエルFRB議長に利下げを実施するよう改めて求めた。米債券市場では、長期金利の指標となる米10年債利回りが低下に転じている(債券価格は上昇)。また、米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は16.32となり、今年2月20日以来の水準に低下した。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.2%高と3日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が2.1%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が1.6%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が1.2%高と上げが目立っている。
一方、内部環境はやや不透明。指標発表が気がかりだ。中国では朝方(日本時間10時半ごろ)、6月の製造業PMI(国家統計局などが集計)と非製造業PMIが公表される予定。最新の市場コンセンサスでは、製造業PMIが5月の49.5から49.7に上向き、非製造業PMIは5月の50.3と同水準で着地する見通しだ。ただ、先週末に報告された5月の工業企業利益は前年同月比9.1%減となり、前月の3.0%増からマイナス成長に転落。減少は3カ月ぶりとなっただけに、景況感が悪化する恐れもある。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米株高値更新など好材料はあるものの、中国企業の業績不安が引き続き投資家心理の重しとなりそうだ。朝方公表の中国PMIをにらみながらの展開となろう。なお香港市場はあす7月1日、香港特別行政区設立記念日の祝日で休場(本土市場は通常取引)。翌2日に取引再開する。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境には好材料がある。中でも米株高がプラスだ。27日の米株市場では、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数が前日比で0.5%上昇し、2月19日に付けた史上最高値を更新。主要指標のNYダウは1.0%高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.5%高と5日続伸した(ナスダック指数は最高値更新)。インフレ圧力の鈍化で、米連邦準備理事会(FRB)が年内利下げするとの期待が一段と高まっている。米ミシガン大学が公表した6月の消費者態度指数(確報値)では、1年先の期待インフレ率が前月を大幅に下回った。商務省が発表した2月の米個人消費支出(PCE)コア指数(食品とエネルギーを除く)は予想をやや上回る一方、個人消費支出は予想外のマイナスに落ち込んでいる。また、トランプ米大統領は27日、パウエルFRB議長に利下げを実施するよう改めて求めた。米債券市場では、長期金利の指標となる米10年債利回りが低下に転じている(債券価格は上昇)。また、米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は16.32となり、今年2月20日以来の水準に低下した。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.2%高と3日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が2.1%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が1.6%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が1.2%高と上げが目立っている。
一方、内部環境はやや不透明。指標発表が気がかりだ。中国では朝方(日本時間10時半ごろ)、6月の製造業PMI(国家統計局などが集計)と非製造業PMIが公表される予定。最新の市場コンセンサスでは、製造業PMIが5月の49.5から49.7に上向き、非製造業PMIは5月の50.3と同水準で着地する見通しだ。ただ、先週末に報告された5月の工業企業利益は前年同月比9.1%減となり、前月の3.0%増からマイナス成長に転落。減少は3カ月ぶりとなっただけに、景況感が悪化する恐れもある。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米株高値更新など好材料はあるものの、中国企業の業績不安が引き続き投資家心理の重しとなりそうだ。朝方公表の中国PMIをにらみながらの展開となろう。なお香港市場はあす7月1日、香港特別行政区設立記念日の祝日で休場(本土市場は通常取引)。翌2日に取引再開する。
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