2025/07/03 08:57 NEW!!
上値の重い展開か、米雇用統計を注視 
◆3日の香港マーケットは、米雇用統計の発表を前に上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。米国では今夜(日本時間21時30分ごろ)、6月の雇用統計が発表される。2日公表された6月のADP全米雇用リポートでは、(政府部門を除く)非農業部門の雇用者数が増加予想に反し減少。市場関係者からは、6月の米雇用統計が下振れする可能性が高まったとの声も聞かれた。労働市場の軟化で、米経済の減速も懸念されている。
中東情勢の地政学リスクも再燃。イランは2日、米軍が同国の核施設を攻撃したことを受け、国際原子力機関(IAEA)との協力を一時停止する法律を施行した。また、イラン革命防衛隊は同日、「攻撃がまだ続くようなら、ペルシャ湾に安定したエネルギー市場はなくなる」などと声明。外電が報じたところによると、イラン軍はペルシャ湾で艦艇に機雷を積みこんだとみられ、オイルロードの要衝、ホルムズ海峡の封鎖に向けた動きだと警戒される状況だ。2日のNY商品取引所では、WTI原油先物が前日比3.1%高と続伸し、NY金先物は0.3%高と3日続伸している。
2日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウは前日比0.02%安と5日ぶりに小反落する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.9%高と反発し、再び史上最高値を更新した。関税交渉を巡り、米国とベトナムが合意したと伝わったことや、労働指標の悪化で米利下げ期待が高まったことはプラス材料となったが、雇用統計の結果を見極めたいとするスタンスが重しとなっている。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.1%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が4.6%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が0.6%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が0.5%高と上げが目立っている。
内部環境は安定的。中国の政策に対する期待感が高まっている。デフレ圧力の解消に向け、「中国は無秩序な低価格競争に対する監督を強化する方針」と伝わった。消費刺激に向けた動きも続いている。当局は先ごろ、消費財買い替え補助政策「以旧換新」向けの国家補助金について、第3陣が7月に地方政府に交付されることを明らかにした。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米雇用統計の発表を前に、買いが手控えられる可能性がある。米雇用統計は米金融政策の判断材料となるため、金融政策で米国に追随する香港にも影響が及ぶ。また、米利下げ観測が高まれば、中国も金融緩和をしやすくなるため、内容が注視される。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。米国では今夜(日本時間21時30分ごろ)、6月の雇用統計が発表される。2日公表された6月のADP全米雇用リポートでは、(政府部門を除く)非農業部門の雇用者数が増加予想に反し減少。市場関係者からは、6月の米雇用統計が下振れする可能性が高まったとの声も聞かれた。労働市場の軟化で、米経済の減速も懸念されている。
中東情勢の地政学リスクも再燃。イランは2日、米軍が同国の核施設を攻撃したことを受け、国際原子力機関(IAEA)との協力を一時停止する法律を施行した。また、イラン革命防衛隊は同日、「攻撃がまだ続くようなら、ペルシャ湾に安定したエネルギー市場はなくなる」などと声明。外電が報じたところによると、イラン軍はペルシャ湾で艦艇に機雷を積みこんだとみられ、オイルロードの要衝、ホルムズ海峡の封鎖に向けた動きだと警戒される状況だ。2日のNY商品取引所では、WTI原油先物が前日比3.1%高と続伸し、NY金先物は0.3%高と3日続伸している。
2日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウは前日比0.02%安と5日ぶりに小反落する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.9%高と反発し、再び史上最高値を更新した。関税交渉を巡り、米国とベトナムが合意したと伝わったことや、労働指標の悪化で米利下げ期待が高まったことはプラス材料となったが、雇用統計の結果を見極めたいとするスタンスが重しとなっている。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.1%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が4.6%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が0.6%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が0.5%高と上げが目立っている。
内部環境は安定的。中国の政策に対する期待感が高まっている。デフレ圧力の解消に向け、「中国は無秩序な低価格競争に対する監督を強化する方針」と伝わった。消費刺激に向けた動きも続いている。当局は先ごろ、消費財買い替え補助政策「以旧換新」向けの国家補助金について、第3陣が7月に地方政府に交付されることを明らかにした。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米雇用統計の発表を前に、買いが手控えられる可能性がある。米雇用統計は米金融政策の判断材料となるため、金融政策で米国に追随する香港にも影響が及ぶ。また、米利下げ観測が高まれば、中国も金融緩和をしやすくなるため、内容が注視される。
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