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2025/07/04 08:47 NEW!!

上値の重い展開か、米長期金利の上昇が逆風 無料記事

◆4日の香港マーケットは、米金利高で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。米長期金利の上昇がマイナス材料だ。3日のNY債券市場では、長期金利の指標となる10年債利回りが大幅に上昇し(債券価格は3日続落)、6月23日以来の高水準を付けた。雇用や経済の指標が堅調だったことを受け、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに慎重なスタンスを続けるとの見方が広がっている。7月利下げの観測が一部に流れていたが、見送られる見通しとなった。米労働省が3日朝方公表した6月の米雇用統計では、(非農業部門の)雇用者数が予想以上に増加し、失業率が予想に反し前月から低下している。ほか、米サプライマネジメント協会(ISM)が公表した6月の米非製造業PMIは50.8となり、予想(50.5)以上に前月(49.9)から改善。景況判断の境目となる50を上回った。
 同日の米株市場は上昇。主要指標のNYダウが0.8%高と反発し、2月上旬以来の高値で取引を終えた。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.0%高と続伸し、連日で史上最高値を更新している。雇用統計など経済指標の堅調を受け、米景気懸念が後退。投資家心理が上向いた。早期の米利下げ観測は遠のいたものの、相場に対する影響は限定されている。なお、3日の取引は独立記念日の前日で短縮取引。4日は休場となる。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.4%高と3日続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が2.6%高、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が1.5%高、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が1.5%高と上げが目立っている。
 内部環境に目立った変化はない。中国の政策に対する期待感が続いている。中でも、当局がデフレ対策を強めていることがプラスだ。中国共産党の経済政策機関となる中央財経委員会は1日、習近平・国家主席の主宰で会議を開催。法律・規定に基づいて企業の無秩序な低価格競争を規制すると同時に、企業に対して製品品質の向上を促し、技術水準の低い生産能力の閉鎖を進めるよう求めた。足元では、鉄鋼や太陽光パネルなどの業界が減産に向けた動きを加速している。そのほか、インターネット通販の過剰値引きを禁止する「改正反不正当競争法」が10月15日に施行される予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米ハイテク株高や、中国の政策に対する期待感で買い先行しそうだが、米長期金利の上昇が相場の足かせとなろう。
 なお香港では、新規株式公開(IPO)が集中する。きょう4日は冷凍食品で中国最大手の安井食品集団(2648/HK)、週明け7日は生命保険会社の富衛集団(1828/HK)、9日は半導体設計企業の峰チョウ科技深セン(1304/HK)、CCUS(カーボン・リサイクル)企業の北京首鋼朗沢科技(2553/HK)、自律走行搬送ロボット(AMR)大手の北京極智嘉科技(2590/HK)、統合型クラウド通信サービス大手の北京訊衆通信技術(2597/HK)、民間歯科医療サービスの武漢大衆口腔医療(2651/HK)、最先端デバイス部品製造の藍思科技(6613/HK)などだ。


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