/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル 亜州リサーチ公式X 亜州リサーチ公式Instagram

2025/07/17 08:37 NEW!!

底堅い展開か、米金利低下が支えに 無料記事

◆17日の香港マーケットは、米金利低下でしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。インフレ鈍化で米利下げ期待が再び高まっている。16日に発表された6月の米卸売物価指数(PPI)は前月比で横ばいとなり、市場予想を下回った。5月から伸びが鈍化している。前日に公表された同月の消費者物価指数(CPI)上昇率が2カ月連続で伸び率が拡大した後とあって、インフレ高進の懸念が和らいだ格好だ。インフレが落ち着くことで、米連邦準備理事会(FRB)は今年後半に利下げするとの見方が改めて広がっている。この日の米債券市場では、米10年債利回りが急低下した(債券価格は5日ぶり反発)。
 16日の米株市場では、インフレ鈍化を支えに、主要指標のNYダウが前日比0.5%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%高と3日続伸。ナスダック指数は連日で史上最高値を更新している。取引時間中に「トランプ米大統領はパウエルFRB議長を解任する意向」と伝わり、ダウ平均は大きく値を下げる場面があったものの、トランプ氏がその後、「解任の計画はない」と述べ、再び買いが優勢となった。
 半面、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.4%安と3日ぶりに反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が7.5%安、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が5.3%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が3.3%安と下げが目立った。
 一方、内部環境に新規の取引材料は乏しい。月次の中国経済統計は週前半までにほぼ出揃った。今年4〜6月期GDP成長率に関しては、実質ベースで前年同期比5.2%となり、前四半期(1〜3月)の5.4%から伸びが縮小。6月の小売売上高と1〜6月の固定資産投資は市場予想を下振れ、1〜6月の不動産開発投資は落ち込みが拡大した。「トランプ関税」の影響もあり、下半期(7〜12月)の経済動向も厳しいものになるとの予測もある。なお、中国では今月下旬、下半期の政策方針を決定する中央政治局会議が開かれる予定。景気刺激に向けた動きがあるかが注目だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは、全体として底堅い展開か。中国の景気不安はくすぶるものの、目先は米金利低下や米ハイテク株高を好感した買いが先行しよう。また、米中関係の改善期待が強まっていることもプラスだ。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース