2025/10/14 08:49
米株高で買い先行か、中国指標の発表控え上値の重さも 
◆14日の香港マーケットは、米株高好感も中国指標見極めで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は安定的。13日の米株市場は、米中対立の過度な警戒感が薄れ、主要株価指数が急反発した。主要指標のNYダウが前日比1.3%安と6日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.2%高と3日ぶりに反発している。中国がレアアース(希土類)の輸出規制を厳格化したことに反発し、11月1日に中国の輸出品に100%の追加関税を課すと発言していたトランプ米大統領は12日、自身のSNSに、「米中の貿易対立は心配していない」、「中国の景気悪化は臨んでいない」などと投稿。米中対立の激化懸念が強まるきっかけとなった自身の発言に対し、自ら火消しに走った格好だ。また、ベッセント米財務長官は13日、今月末に韓国で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)にあわせた米中首脳会談について、予定通り開催されるとの認識を示している。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日より2.63低い19.03となり、再び節目の20を下回った。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が3.2%高と3日ぶりに反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が7.3%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が7.0%高、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が6.7%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が4.9%高と上げが目立った。
一方、内部環境はやや不透明。9月の中国経済指標が集中して公表されることが気がかりだ。あす15日に物価統計、同日までに金融統計、週明け20日に7〜9月期のGDP、9月の小売売上高など。また、実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が20日に発表される。物価はデフレ継続が予想されているほか、GDP成長率も前四半期を下回る見通しだ。なお前日に報告された貿易統計に関しては、輸出入ともに市場予想を上回り、前月実績を大幅に上回っている。ただ、米国向け輸出額に関しては、前月からはやや改善したものの、6カ月連続のマイナス成長となった。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。昨夜の米株高や前日までの急ピッチな下落(ハンセン指数は1.5%安と6日続落し、約1カ月ぶりの安値)を受け、ひとまず買いが先行する可能性はあるものの、中国指標の発表を前に投資家の慎重スタンスも続きそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は安定的。13日の米株市場は、米中対立の過度な警戒感が薄れ、主要株価指数が急反発した。主要指標のNYダウが前日比1.3%安と6日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.2%高と3日ぶりに反発している。中国がレアアース(希土類)の輸出規制を厳格化したことに反発し、11月1日に中国の輸出品に100%の追加関税を課すと発言していたトランプ米大統領は12日、自身のSNSに、「米中の貿易対立は心配していない」、「中国の景気悪化は臨んでいない」などと投稿。米中対立の激化懸念が強まるきっかけとなった自身の発言に対し、自ら火消しに走った格好だ。また、ベッセント米財務長官は13日、今月末に韓国で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)にあわせた米中首脳会談について、予定通り開催されるとの認識を示している。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日より2.63低い19.03となり、再び節目の20を下回った。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が3.2%高と3日ぶりに反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が7.3%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が7.0%高、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が6.7%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が4.9%高と上げが目立った。
一方、内部環境はやや不透明。9月の中国経済指標が集中して公表されることが気がかりだ。あす15日に物価統計、同日までに金融統計、週明け20日に7〜9月期のGDP、9月の小売売上高など。また、実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が20日に発表される。物価はデフレ継続が予想されているほか、GDP成長率も前四半期を下回る見通しだ。なお前日に報告された貿易統計に関しては、輸出入ともに市場予想を上回り、前月実績を大幅に上回っている。ただ、米国向け輸出額に関しては、前月からはやや改善したものの、6カ月連続のマイナス成長となった。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。昨夜の米株高や前日までの急ピッチな下落(ハンセン指数は1.5%安と6日続落し、約1カ月ぶりの安値)を受け、ひとまず買いが先行する可能性はあるものの、中国指標の発表を前に投資家の慎重スタンスも続きそうだ。
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