2025/12/11 08:48
しっかりか、米金融政策の不透明感払しょく 
◆11日の香港マーケットは、米金融政策の不透明感払しょくでしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はポジティブ。米金融政策の不透明感が後退した。米連邦準備理事会(FRB)は10日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り0.25%の追加利下げを決定。さらにFRBは、流動性を高めるため、短期国債を購入する方針も示した。パウエルFRB議長は会見で、金利は中立の水準に接近しているとして、今後の金融政策は経済動向を見極めながらになると発言。次回会合の方向性を示さなかった。市場では思ったほどタカ派(引き締めに積極的)ではなかった――と受け止められている。また、メンバーによる政策金利見通しでは、2026年の0.25%利下げ予想回数が1回とされ、前回(9月)と同水準だった。10日の米債券市場では、長期金利の指標となる10年債利回りが低下に転じている(債券価格は5日ぶり反発)。
10日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.0%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%高と続伸。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数が0.7%高と3日ぶりに反発し、一時、史上最高値を上回る場面があった。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.6%高と反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、小馬智行(ポニーAI::PONY/NASDAQ、2026/HK)が3.5%高、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が2.6%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が1.8%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が1.7%高と上げが目立った。
内部環境もそれほど悪くない。中国ではこのところ、内需の弱さを示す月次経済統計の公表が相次いでいるが、当局は景気支援のスタンスを強めるとの見方も広まっている。2026年の経済政策を決める中央経済工作会議が近く開催される見通し(2024年は12月11〜12日に実施)。それより先、中国共産党は8日、中央政治局会議を開き、「適度に緩和的な金融政策」と「より積極的な財政政策」を継続していく方針を改めて確認した。内需拡大が最優先事項となる見込みで、財政出動の拡大も期待されている。そうした中、国際通貨基金(IMF)やアジア開発銀行(ADB)が2025年の中国GDP成長率見通しについて、それぞれ従来の予想を上方修正した。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。FOMCが波乱なく通過し、米金融政策の不透明感が払しょくされたことで、投資家に買い安心感が広がりそうだ。また、中国の政策に対する期待感も支えとなろう。ただ、中国で週明け15日に11月の小売売上高や鉱工業生産など、金融統計も15日までに発表されることもあり、様子見ムードが漂う可能性もある。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はポジティブ。米金融政策の不透明感が後退した。米連邦準備理事会(FRB)は10日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り0.25%の追加利下げを決定。さらにFRBは、流動性を高めるため、短期国債を購入する方針も示した。パウエルFRB議長は会見で、金利は中立の水準に接近しているとして、今後の金融政策は経済動向を見極めながらになると発言。次回会合の方向性を示さなかった。市場では思ったほどタカ派(引き締めに積極的)ではなかった――と受け止められている。また、メンバーによる政策金利見通しでは、2026年の0.25%利下げ予想回数が1回とされ、前回(9月)と同水準だった。10日の米債券市場では、長期金利の指標となる10年債利回りが低下に転じている(債券価格は5日ぶり反発)。
10日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.0%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%高と続伸。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数が0.7%高と3日ぶりに反発し、一時、史上最高値を上回る場面があった。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.6%高と反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、小馬智行(ポニーAI::PONY/NASDAQ、2026/HK)が3.5%高、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が2.6%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)が1.8%高、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が1.7%高と上げが目立った。
内部環境もそれほど悪くない。中国ではこのところ、内需の弱さを示す月次経済統計の公表が相次いでいるが、当局は景気支援のスタンスを強めるとの見方も広まっている。2026年の経済政策を決める中央経済工作会議が近く開催される見通し(2024年は12月11〜12日に実施)。それより先、中国共産党は8日、中央政治局会議を開き、「適度に緩和的な金融政策」と「より積極的な財政政策」を継続していく方針を改めて確認した。内需拡大が最優先事項となる見込みで、財政出動の拡大も期待されている。そうした中、国際通貨基金(IMF)やアジア開発銀行(ADB)が2025年の中国GDP成長率見通しについて、それぞれ従来の予想を上方修正した。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。FOMCが波乱なく通過し、米金融政策の不透明感が払しょくされたことで、投資家に買い安心感が広がりそうだ。また、中国の政策に対する期待感も支えとなろう。ただ、中国で週明け15日に11月の小売売上高や鉱工業生産など、金融統計も15日までに発表されることもあり、様子見ムードが漂う可能性もある。
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