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2025/11/03 09:07 NEW!!

下値の堅い展開か、中国経済対策に期待感 無料記事

◆週明け3日の香港マーケットは、中国経済対策の期待感で下値の堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。米中貿易対立の緩和が進んでいる。米ホワイトハウスは1日、10月30日に行われた米中首脳会談での合意内容の詳細を発表し、中国はレアアース(希土類)の新たな輸出規制を事実上撤廃すると明らかにした。そのほか、中国が合成麻薬フェンタニルの違法取引を強化する代わりに、米国は関連の対中関税を20%から10%に引き下げるほか、100%の対中関税も延期する。また、トランプ米大統領は10月31日、フェンタニル関税について残りの10%も削減する可能性を示した。
 31日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.1%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.6%高と反発した。米金融政策を巡る不透明感は引き続き重しとなったが、好決算銘柄の物色が相場を支えている。ネット通販アマゾンが公表した7〜9月期決算は売上高が20%増と、2022年末以来の大幅な伸びとなった。同社株は9.6%高と急伸している。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.5%高と4日ぶりに反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が3.4%高、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が2.4%高、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が2.3%高と上げが目立った。
 一方、内部環境はややネガティブ。中国景気の先行き不安が高まっている。10月31日に国家統計局が公表した10月の製造業PMIは49.0と市場予想(49.6)に届かず、景況判断の境目となる50を7カ月連続で下回った。今月発表された月次統計では、デフレ傾向に改善がみられず、不動産投資の縮小傾向が継続している。なお、本日は取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に、民間集計のRatingDog中国製造業業PMIが発表される予定。9月実績(51.2)を下回る50.7で着地すると予想されている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の堅い展開か。中国景況感の悪化は引き続き売り材料視されそうだが、中国政府は今年の成長率目標「5.0%前後」達成のため景気対策を強めるとの見方が改めて意識されよう。米中貿易摩擦が緩和しつつあることもプラス材料だ。



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