◆週明け1日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で方向感を欠く展開か。（亜州リサーチ編集部）
　外部環境は安定的。新規材料には乏しいが、今月9〜10日の米連邦公開市場委員会（FOMC）での追加利下げ観測はプラスだ。米金利先物市場の値動きから算出するCMEフェドウオッチ（政策金利が変更される確率）では、12月のFOMCで0.25％利下げする確率が87％を超えている。
　短縮取引となった11月28日の米株市場は、米利下げ観測を支えにしっかり（前日は感謝祭の祝日で休場）。主要指標のNYダウが前営業日比0.6％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7％高とそろって5日続伸している。中国銘柄もしっかり。中国企業のADR（米国預託証券）で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数（HXC）は0.5％高と反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車（エックスポン：XPEV/NYSE、9868/HK）が3.3％高、禾賽科技（ヘサイ・グループ：HSAI/NASDAQ、2525/HK）が2.7％高、騰訊音楽娯楽集団（テンセント・ミュージック：TME/NYSE、1698/HK）が2.6％高と上げが目立った。
　内部環境はやや不透明。11月30日に国家統計局が公表した11月の製造業PMIは49.2と市場予想（49.4）に届かず、景況判断の境目となる50を8カ月連続で下回った。また、これまで堅調だったサービス業も落ち込み、非製造業PMIは49.5と前月実績（50.1）と市場予想（50.0）を下回り、2022年12月以来、約3年ぶりに節目の50を割り込んだ。11月に発表された月次経済統計は、内需の弱さを示す内容が相次いでいる。
　なお、本日は取引時間中（日本時間10時45分ごろ）に、民間が集計する11月のRatingDog中国製造業業PMIが発表される予定。10月実績（50.6）を下回る50.5で着地すると予想されている。
　一方、政策に対する期待感は持続。2026年の経済政策を決める中央経済工作会議は今月中旬ごろに開催される見通しだ。金融関係者からは、当局が会議を経て、26年1月にも預金準備率や政策金利を引き下げる可能性が指摘されている。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。中国の景気不安が重しとなる半面、米追加利下げの観測や中国経済対策の期待感が支えとなろう。


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