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2019/06/11 08:58

上値の重い展開か、米中通商問題に不透明感 無料記事

◆11日の香港マーケットは、米中貿易問題の不透明感で上値の重い展開か。
 外部環境は良好。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前営業日比0.3%高と6日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.1%高と5日続伸した。NYダウは約1カ月ぶりの高値水準を回復している。メキシコ関税回避で投資家心理が改善。トランプ米大統領は7日、メキシコからの全輸入品に追加関税を課す計画を無期限に延期すると発表した。米国への不法移民流入を巡り、新たな対策で両国が合意したと伝わっている。メキシコに生産拠点を置く自動車メーカーのゼネラル・モーターズや、フォード・モーターなどが上昇した。
 なお、米中貿易問題を巡っては、トランプ米大統領が10日、20カ国・地域(G20)首脳会合(大阪サミット)で習近平国家主席が会談に応じなかった場合、新たな対中関税「第4弾」を直ちに発動すると警告した。中国外交部の報道官はこれより先、「米中首脳が会談する可能性についての発表はない」とコメントしている。
 一方、連休明け10日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.9%高と7日ぶりに反発。指数は約3カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいたこともあり、自律反発狙いの買いが先行した。取引時間中に公表された5月の中国貿易統計は、輸出が上振れる一方、輸入が下振れるなどまちまちの内容。国内消費の弱さは意識されたが、逆に景気テコ入れ策に対する期待感が強まった。マーケットへの資金流入期待も広がる。中国銀行保険監督管理委員会の報道官は9日、現地メディアの取材に対し、保険会社の株式投資規制を緩和する方向で検討を進めていることを明らかにした。ただ、懸念材料もある。人民元相場が約半年ぶりの元安水準に達したことはマイナスだ。中国人民銀行(中央銀行)総裁が先週末、「元相場に超えてはいけない一線はない」と発言するなか、人民元レートの先安感が強まっている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。前日は米国の利下げ観測や中国の政策期待などで買われたものの、新規の買い材料に乏しい状況だ。米中通商問題の不透明感が再び意識される流れとなろう。


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