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2020/09/01 08:54

方向感を欠く展開か、新規材料に乏しく 無料記事

◆1日の香港マーケットは、新規の材料に乏しいなかで方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境に目立った手がかりがない。昨夜の米株市場は売り買いが交錯し、方向感を欠く展開だった。主要指標のNYダウは、前営業日比0.8%安と4日ぶりに反落。米連邦準備制度理事会(FRB)の新指針により、ゼロ金利政策の長期化が見込まれたことは支えになったものの、新規の材料には乏しく、8月に入ってからの上昇が目立った銘柄群の一角に利食い売りが出た。NYダウの月間上昇率は7.6%に達し、8月としては1984年以来、36年ぶりの大きさとなっている。他方、一部銘柄の急伸でハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.7%高と続伸。史上最高値を更新した。株式分割で投資しやすくなったアップルとテスラがそれぞれ3.4%高、12.6%高と上昇し、ハイテク指数を押し上げている。
 一方、8月31日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.2%安と3日ぶりに反落。銀行業績の悪化が重しとなった。主要企業の中間決算発表がほぼ一巡するなか、主要行の決算で減益や不良債権比率上昇が多くみられたことを嫌気する。社債デフォルト(債務不履行)の警戒感も再燃。新型コロナウイルス禍で債務返済猶予を受けた企業に関し、この先2四半期程度で合計106億人民元以上が返済期限を迎える――と伝えられた。ただ、大きく売り込む動きはみられない。中国景気の持ち直しが意識された。寄り付き前に公表された経済指標では、8月の製造業PMIが51.0となり、前月(51.1)から小幅に低下したものの、景況判断の境目となる50は6カ月連続で上回っている。同月の非製造業PMIは54.2に上振れし、2年7カ月ぶりの高い水準を回復した。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。外部環境に目新しい材料がないほか、中国では6月中間決算の発表が終了している。目先の焦点は、米中関係や新型コロナウイルスなどの動向に移りそうだ。関連するニュースフローに一喜一憂する場面がみられよう。
 なお本日は取引時間中に(日本時間10時45分ごろ)、8月の財新中国製造業PMI(民間集計)が公表される予定。事前の市場コンセンサス予想では、前月の52.8から52.5にやや低下する見込みだ。


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