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2019/06/03 09:00

下値を試す展開か、米中貿易問題が混迷化 無料記事

◆週明け3日の香港マーケットは、米中通商問題の混迷化で売られる展開か。
 外部環境はネガティブ。先週末の米株市場は主要指標のNYダウが前日比1.4%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%安とそろって反落した。トランプ米政権の強硬的な通商政策が投資家心理を冷やしている。米政権は30日、不法移民流入問題が解決するまで「メキシコからの全輸入品に追加関税を課す計画」を打ち出した。米中関係改善の糸口が見えないなか、新たな摩擦が生じたことで、世界的な景気減速懸念が一段と強まっている。
 米中通商問題を巡っては、中国政府が1日午前0時(中国時間)、米制裁関税に対する報復関税を予定通り発動した。トランプ米政権は次の一手として、約3000億米ドル(約33兆円)相当の中国製品に追加関税を課す構えだ。また、中国政府は2日、米中通商交渉に関する報告書を公表し、「協議中断の責任は全て米国にある」と非難した。これに先立つ5月31日、中国商務部は中国版「エンティティーリスト(輸出を規制する外国企業リスト)」を作ると発表。サプライチェーンに混乱が生じる恐れがある。
 一方、5月31日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.2%安と続落。米中貿易戦争の激化、長期化に対する警戒感が相場の重しとなった。なお、取引前に公表された今年5月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計・発表)は49.4という結果。景況判断の節目(50)を3カ月ぶりに割り込んだ。予想(49.9)以上の悪化を受け、市場関係者の間では、「中国当局は経済成長の目標を達成するため、一段の景気対策を打ち出す」との見方が強まっている。政策期待の高まりを背景に、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは下値を試す展開か。上述したように、米中通商問題の混迷化が投資家のリスク回避スタンスを強めそうだ。また、先週末の原油相場が急落(WTI原油先物は5.5%安で3カ月半ぶり安値)するなか、エネルギー関連に売りが先行しよう。


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