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2019/08/12 09:01

売り先行か、米中貿易問題に不透明感 無料記事

◆週明け12日の香港マーケットは、米中貿易問題の不透明感で売られる展開か。
 外部環境はネガティブ。先週末の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.3%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%安と4日ぶりに反落した。米中通商交渉の不透明感が強まる。トランプ米大統領は9日、「中国と通商合意する準備はできていない」として、9月上旬に予定されている貿易協議を中止する可能性を示唆した。また、「米政権は、米国企業と華為技術(ファーウェイ)との取引許可の決定を先送りしている」と報じられたことも米中対立が激化すると不安視されている。
 一方、9日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.7%安と反落。中国景気の減速懸念が意識された。朝方公表された7月の中国物価統計では、消費者物価指数(CPI)の上昇率がやや加速する半面、生産者物価指数(PPI)はマイナス圏に転落している。PPIの低下率は市場予想(0.1%低下)を超える0.3%に上った。PPIのマイナス転落は2016年8月以来、約3年ぶり。企業活動が停滞していると懸念された。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられる展開か。上述したように、米中貿易問題の不透明感が相場の重しとなる。人民元動向も気がかり材料だ。朝方の外国為替市場(オフショア)では、対米ドルの人民元が一段と元安方向で推移している。中国人民銀行(中央銀行)が午前(日本時間10時15分ごろ)に発表する人民元基準値は、9日まで7日連続の元安設定。この日発表される基準値が人民元安を容認するような設定となった場合、通貨安を巡る米中対立を深刻化させる恐れもあろう。また香港では、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に端を発したデモが先週末も実施された。週末のデモは10週連続。香港経済の先行き不安が高まる状況だ。


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